『第29回三島由紀夫賞』と『第29回山本周五郎賞』の選考会が本日5月16日に行なわれ、『三島由紀夫賞』に蓮實重彦の『伯爵夫人』、『山本周五郎賞』に湊かなえの『ユートピア』が選出された。
『三島賞』に輝いた蓮實は1936年生まれ。1997年から2001年まで東大総長を務めた。批評家として活動する傍ら小説も発表しており、受賞作『伯爵夫人』は1986年の『陥没地帯』、1994年の『オペラ・オペラシオネル』に続く22年ぶりの新作小説となる。
『山本周五郎賞』を受賞した湊は2007年に『第29回小説推理新人賞』を受賞。2008年に発表した『告白』が映画化されたほか、『白ゆき姫殺人事件』『贖罪』『少女』などが実写化されている。昨年11月に刊行された受賞作『ユートピア』は、海辺の町で出会った3人の女性を描く心理サスペンスだ。
なお『三島賞』にはいしいしんじ、山下澄人、三輪太郎、亀山郁夫がノミネートしていたほか、『山本周五郎賞』候補には押切もえ、宮内悠介、中田永一、相場英雄が名を連ねていた。