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86/BRZ Race第3戦:東北出身のふたりがSUGOで勝利の雄叫び

2016年05月16日 19:41  AUTOSPORT web

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86/BRZ Race第3戦SUGO 優勝した佐々木雅弘(assetテクノBS 86)
スポーツランドSUGOが舞台となった、TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第3戦は、まずクラブマンシリーズで松原怜史(assetテクノBS 86)が開幕戦以来となる2勝目をマーク。そして、プロフェッショナルシリーズでも佐々木雅弘(assetテクノBS 86)が今季初優勝。ともに東北出身のドライバーとあって、地元コースで勝利の雄叫びを上げた。また、チームメイト同士のWウィンを、昨年の第7戦・富士に続いて飾っている。

 プロフェッショナルシリーズで今季初のポールポジションを奪ったのは、前戦ウィナーの阪口良平(AREA86倉敷)だった。序盤のうちにトップタイムを記し、いったんはピットに戻ったものの、終盤になって再度アタックを仕掛けていったが、これについて阪口は「ニューパッドだったせいか、ABSが効いちゃうことが何度かあって、かろうじてクリッピングポイントにはつけたからタイムは出たけど、走りには納得していなかったんです」と理由を明かす。

「ダートにはみ出した周もあったので、もし四輪脱輪のペナルティを受けてベストタイムが抹消になっても、セカンドベストでもトップかと(チームに)聞いたら、そうではないと。そのため、念には念を入れて、(もう一度)行くことしました」

 2番手には蒲生尚弥(ASICS Blue 86R)がつけて、吉田広樹(OTG DL 86)が3番手だったが、吉田は前戦のペナルティを受けてで10グリッド降格となり、トモアキ(大阪トヨタ86レーシング)以下が繰り上がることとなった。今回はトップの阪口から、1秒以内に15台が並んでいた。そんな混戦状態の中でも、ひとり阪口にマージンがあり、決勝も有利に進めていくものと思われたのだが……。

 決勝では、「ホイールスピンさせてしまった」阪口がスタートで蒲生の先行を許したばかりか、ひとつ順位を上げてきた佐々木がすぐ背後につく形に。。これはまずいと判断したのか、阪口は早めの勝負をかけて2周目の1コーナーで蒲生のインに飛び込んだが、止まり切れずダートに足を落としてしまう。

 この間にひとつポジションを上げた佐々木は「シナリオどおりと言うか、それ以上! 序盤勝負は予定どおり」と、もはや躊躇することなく3周目の1コーナーで蒲生をかわすこととなった。

 また、セカンドグループから抜け出してきた久保凛太郎(CG ROBOT BRZ 86)がトップ争いに急接近、ただし4台でのトップグループは長くは続かなかった。阪口に何度もプレッシャーをかけられ、蒲生が応戦する一方となり、トップの佐々木が徐々に逃げ始めていたからだ。5周目にファステストラップを佐々木が記録すると、その翌周には独走態勢が確立されていた。

 一方、その後も蒲生、阪口、久保による2番手争いは激しく繰り広げられるも、それぞれ隙を見せず。最後は山田英二(CUSCO BS 86)も迫ってきたが、これがもう少し早ければ、また違った展開もあったかもしれない。

 佐々木が今季初優勝を飾り、ヘルメットを脱ぐやいなや「ウォー!」と雄叫びが。表彰台で満面の笑みを浮かべていた佐々木と、2位、3位に甘んじた蒲生と阪口の表情は、あまりに対照的だった。なお、前回までは阪口とポイントランキングで同点首位だった平中克幸(GY RACING 86)は10位ゴールとあって、ランキング3番手まで陥落。佐々木にも先行を許す形となった。



 一方、クラブマンシリーズでは松原がポールポジションを獲得したが、ランキングトップの松原怜史ではなく、松原亮二(N群馬FKジースパイスBS86)の方。「まずまず納得の走りができました。松原がふたりフロントローに並びましたが、最近出てもいないのに『優勝おめでとう』と言われていたので、松原がふたりいることを証明できて良かったです(笑)」とコメント。その一方で松原亮二「最近レースをそれほどしていないので、スタートが心配です」とも語っている。 

 決勝で、松原亮二は懸念していたスタートはそつなく決めて、トップで1コーナーに飛び込んでいったものの、S字コーナーでダートに足を落としてしまい、その脇から松原怜史がかわしていく。さらにレインボーコーナーでも姿勢を乱して手塚祐弥(栃木スバルOTモチュールBRZ)に、さらに馬の背コーナーでも吉田綜一郎(Snap-on Kota BRZ)にも抜かれてしまった。

 しかし、それから間もなく最終コーナーでコースアウトした車両を回収するため、2周に渡ってセーフティカーランが行われる。松原亮二は、このセーフティカーで冷静さを取り戻したのか、レース再開から間もなく、吉田を1コーナーでかわして3番手に浮上。

 その後は松原怜史、手塚、松原亮二の順でトップが競われるが、バトルはこう着状態。そのまま逃げ切った松原怜史は2勝目をマークして、ランキングのトップもキープした。「最初から1周目勝負と決めていたので、あらかじめ内圧も高めに。スタートで抜きたかったんですが、その後に相手のミスもあり、うまくいきました。地元のコースなので、どうしても勝ちたかったです」と松原怜史。ランキング2位の小野田貴俊(ネッツ東埼玉ワコーズED86)は、吉田に続く5位でフィニッシュしている。