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スーパー耐久第2戦:グループ1は3度のSC導入。24号車GT-Rが開幕2連勝飾る

2016年05月16日 17:11  AUTOSPORT web

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スーパー耐久第2戦SUGO グループ1の決勝レースで優勝したスリーボンド日産自動車大学校GT-R
スーパー耐久シリーズ第2戦、『SUGOスーパー耐久3時間レース』がスポーツランドSUGOで、決勝レースが2グループに分けられて開催された。

 5月14日に行われたグループ2の決勝レースで総合優勝を飾ったのは、村田信博/小河諒/元嶋佑弥組の13号車ENDLESS ADVAN 86。15日に行われたグループ1の決勝レースでは、内田優大/藤井誠暢/平峰一貴組の24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-Rが総合優勝を果たし、ともに開幕2連勝を飾っている。

 今回のレースの流れを簡単に説明すると、これまでも予選と決勝レースのローリングスタートを分けていたグループ1(ST-X、1~3クラス)とグループ2(ST-4、5クラス)を、完全に別レースとするもので、予選はすべて土曜日に行い、グループ2の決勝レースがその後に、そして日曜日にグループ1の決勝レースが行われた。

 まず、グループ2でポールポジションを獲得したのは、ST-4クラスの車両で、開幕戦を制したENDLESS ADVAN 86。2番手には松井孝允/井口卓人/蒲生尚弥組の86号車TOYOTA Team TOM’S SPIRIT 86のがつけていた。

 決勝レースも、この2台のつばぜり合いから始まり、松井が村田を1コーナーでかわしてトップに立ち、徐々に逃げていったものの、スタートに違反があって、やがてドライビングスルーペナルティを強いられる。これで村田は難なくトップを奪い戻す。ピットタイミングがそれぞれバラバラであるため、トップは目まぐるしく入れ替わり、なかには95号車SPOONリジカラS2000の松井猛敏のように、1時間25分も走り続けたことで、執念のトップに立った車両もあったほど。

 しかしながら、それぞれ規定で定められた2回のピットストップを済ませると、村田~小河~元嶋のリレーを完璧に決めていたENDLESS ADVAN 86がトップに浮上。2番手には、52号車埼玉トヨペットGreen Brave 86の脇阪寿一が浮上していた。


 トップ元嶋はすでに独走態勢に入っていたものの、寿一は序盤のペナルティをしっかり挽回してきた86号車の蒲生、55号車Sun Oasisネッツトヨタ埼玉86のたしろじゅんを背後に置いて、激しいバトルを繰り広げることに。まさに観客の視線を釘づけとしたが、ゴール間際にたしろ、蒲生に相次いでかわされ、表彰台にはあと一歩届かなかった。

「今回も若いふたりに助けられて勝てました。SUGOとは相性が良く、これで3年連続優勝なんです」と村田。

 一方、「抜かれたから、タイヤ交換しておけば良かったと思うけど、抜かれなければ、タイヤ無交換が効いたって言うんだろうね(笑)。表彰台は次回にとっておきます」と寿一。

 ST-5クラスでは、デビュー2戦目の88号車村上モータースMAZDAロードスターNDを駆る村上博幸/筒井克彦組がポール・トゥ・ウィンを達成。「ロードスターファンの期待に、ようやく応えることができました。最後は燃費もタイヤも厳しく、かなりペースを抑えましたが、何とか逃げ切ることができました」と語るのは村上。

 一方、大野尊久/梅本淳一/窪田俊浩組の69号車BRP★J’S RACINGホンダカーズ浜松北みきゃんFITは、終盤に激しく追い上げるも、残り8周で再給油を強いられ、2位に留まって連勝はならなかった。

 クリアラップがとりやすくなることから、グループ2では同じ3時間レースでも、昨年よりも飛躍的に周回数が伸びる展開となったが、日曜のグループ1決勝では、3度もセーフティカーランがあり、その合計は約70分間にもなり、周回数が伸びることはなかった。

 ST-1クラスのポールポジションは、開幕戦ウィナーのスリーボンド日産自動車大学校GT-Rが獲得した。アタックを担当した内田、藤井ともにトップではなかったものの、僅差におさめていたことが決め手となる。

 決勝ではスタートから藤井が逃げの構えに出てリードを築くも、SCランのたび吐き出す羽目に。それどころか、最終スティントを担当した平峰の前には、10号車Adenau SLS AMG GT3のマイケル・グリーンが立ちはだかっていた。

「メルセデスSLSはストレートが速いから、ブレーキングポイントで抑えていました」とグリーン。しかし、平峰はいたって冷静で、「僕はタイヤ無交換でしたから、変にタイヤを使いたくなかったので」と、しばらく静観を決め込み、まさにチャンス到来となった80周目にトップ奪還。

 その後は一気にペースアップ、やはり順位を上げてきた3号車ENDLESS ADVAN GT-Rの峰尾恭輔を寄せつけずに、トップチェッカーを受けることとなった。

「前回のもてぎ以上に、勝ったという達成感があります。ポールからスタートしてレースをコントロールできましたから。SCにかき回された感じが全体的にありますが、終わってみれば、おさまるところにおさまっているのが、このクラスのすごさではないでしょうか」と藤井。

 2位はYUKE TANIGUCHI/峰尾/山内英輝組の3号車ENDLESS ADVAN GT-Rが前回よりもひとつ順位を上げ、グリーン/フィリップ・デベサ/密山祥吾組の10号車Adenau SLS AMG GT3が初の表彰台を獲得している。

 ST-1クラスは孤軍奮闘ながら、総合でのシングルフィニッシュをひそかに狙っていた、星野敏/荒聖治組の777号車D’station Porsche 911が接触による転倒で無念のリタイア。ST-Xクラスに2台のリタイアがあったため、総合8位でゴールしたのはST-3クラスで開幕2連勝、堀田誠/阪口良平組の38号車MUTA Racing TWS IS350だった。

 予選では長島正明/田中徹/田中哲也組の15号車岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34のにトップを譲ったものの、決勝では阪口がわずか3周で長島をパス。長島は16周目には田中徹に代わる積極策に出るが、後にSCランが連続したため、完全に裏目に出てしまう。

 難なく逃げ切るかと思われた38号車IS350だったが、終盤になって無交換だったタイヤに剥離が出て、緊急ピットイン。これで阪口の7秒後ろに後退し、岡部自動車DIXCELチームテツヤZ34の田中哲也が迫ったものの、逆転は許さなかった。

「突然、違和感を覚えたんで、そのまま走れそうではあったんですが、チームの判断で入ってみたら……。もし、あと1周入るのが遅かったら、逆転されていたかもしれません」と阪口。

 そして、ST-2クラスでは59号車DAMD MOTUL ED WRX STIの連勝が、ついにストップ。チームとしては足掛け3年、ここまで8連勝だったのだが、左フロントのローター交換を強いられてはやむを得ず……。

 代わって、12年の第1戦・富士以来となる勝利を飾ったのは、冨桝朋広/菊地靖/大嶋正澄組の6号車新菱オートDIXCELエボX。菊地は「土曜日までタービンのトラブルが続いていたんですが、しっかり直してくれたばかりか、決勝のセットがバッチリ合っていたんでしょうね。勝てて本当に良かった」と喜びを語った。