VLN3のスタートシーン VLNニュルブルクリンク耐久シリーズは14日、予選と決勝レースが行われ、ヨルグ・ミューラー/マルコ・ウィットマン/ジェス・クローン組シューベルト・モータースポーツの31号車BMW M6 GT3が優勝を飾った。
●SP9はBMW M6 GT3が完全勝利
いよいよ5月28~29日に決勝レースが行われるニュルブルクリンク24時間耐久レースに向けて、その前哨戦となるVLN3には非常に多くのエントリーが集まった。総合優勝を争うGT3カーのSP9クラスも盛況で、19台がエントリー。シューベルトやベントレー・チーム・アプト、アウディスポーツ・チーム・フェニックス等、“役者”が揃う顔ぶれとなった。
そんななか、速さをみせたのはBMW M6 GT3勢。31号車がポールポジションを獲得し、ワーケンホルスト・モータースポーツの36号車が2番手。BMWの100周年カラーをまとったシューベルトの39号車が3番手につけた。
決勝でもシューベルト勢が完璧なレース運びを展開し、ミューラー/ウィットマン/クローン組が優勝。2位にもシューベルトの39号車が入り、3位は36号車とBMW M6 GT3勢が表彰台を独占。4位はアウディスポーツ・チーム・フェニックスの15号車R8 LMS、5位は今回3台体制で臨んだマンタイ・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3Rとなった。
●クラッシュから復活。スバルWRX STIは“本番”へ手応え
日本車勢では、ファーンバッハー・レーシングが走らせたSPXクラスのレクサスRC F GT3が予選総合18番手/決勝総合13位(SPXクラス1位・参戦5台)。チーム・ザクスピードのニッサンGT-RニスモGT3は予選総合15番手/決勝総合73位となった。
今回、石浦宏明が乗り込み土屋武士とコンビを組んだTOYOTA GAZOO Racing with TOM'SのレクサスRC Fは、ファーンバッハーのGT3カーと1秒しか変わらないタイムで予選総合19番手を獲得するも、決勝はリタイアとなった。
一方、富士スピードウェイでのシェイクダウン時にクラッシュし、大きなダメージを負ったSTIのスバルWRX STIだが、修復成ってVLN3に登場した。マルセル・ラッセー/ティム・シュリックというふたりがドライブしたWRX STIは、5台が参戦したSP3Tクラスで予選2番手を獲得。決勝でもきっちりと走りきり、クラス2位(総合69位)でチェッカーを受けた。
「今回のVLNは、車両の設計性能がきちんと発揮できているかのチェックが目的だったので、結果を見れば多くの収穫が得られたと実感しています。短時間の間にエンジニアやメカニック達が全力を尽くして車両を仕上げてくれたおかげでこのような感触が得られたので、24時間レースに向けて大きな自信になりました」とSTI菅谷重雄監督。
「ドライバーのふたりも、とてもクルマは扱いやすくバランスが良いとコメントしてくれています。しかし、ライバル勢の進化は予想以上でした。とはいえ、私たちの強みを活かせば、レースでは良い戦いができるはずです。しっかり準備をして、2週間後の24時間レースに備えたいと思います」