2016年F1第5戦スペインGP予選、トップ10で終えたドライバーたちが予選日を振り返った。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ルイス・ハミルトン 予選=1位
ようやく1周をうまくまとめあげることができて最高の気分だ。大満足だよ。こういうパフォーマンスを発揮する必要は常にあり、それができると自信を再確認できる。
今週末はニコ(・ロズベルグ)はとても速い。時には0.2秒、それ以上速い時もあった。
データで自分がロスしているところをチェックし、コース上で解決を試みた。壁を乗り越えることができてとても満足している。
僕が戦えるようマシンを正しい状態に整えるため昨夜頑張ってくれたチームに心から感謝する。今シーズン、僕が予選でちゃんと走れたのは3戦、そのすべてでポールを獲得した。
今年はまだ決勝でニコと本格的なバトルをしていない。明日それができるといいね。ここはオーバーテイクがとても難しいから、戦略が重要だ。それからタイヤを管理して走ることもね。このサーキットはタイヤに負担をかけ、傷めてしまう。だからフィニッシュまでいいバランスを保って気をつけながら走る必要がある。
昨日はマシンに問題を抱えていた。それで一日を無駄にしたんだ。今日はゼロからやり直した。マシンを修正したら、最初からとても感触がよかった。
ニコがマシンにいいフィーリングを持っていたから、彼が取っている方向性に多少合わせる形にした。いずれにしてもそれほどかけ離れてはいなかったんだけどね。
マシンを思いどおりに走らせることができるようになって、本当にほっとした。
■メルセデスAMG・ペトロナス・フォーミュラワン・チーム
ニコ・ロズベルグ 予選=2位
今日はルイス(・ハミルトン)の方がいい仕事をした。でも重要なのは明日だ。序盤に大きなチャンスがある。今年、僕は何度かいいスタートができているけど、ルイスは今のところ1コーナーにトップで入っていったことがないからね。
レース中にチャンスがあるかもしれないよ。タイヤの使い方が大きなファクターになるし、正しい戦略を選ぶことが重要だ。
かなり興味深いレースになりそうだから、バトルを楽しみにしている。
レッドブルにも注意しないとね。驚いたことに今回彼らはフェラーリよりも強い。
■レッドブル・レーシング
ダニエル・リカルド 予選=3位
また予選トップ3に入れてすごく嬉しい。明日もこの位置を目指すつもりだよ!
(マックス・フェルスタッペンと自分の)ふたりでフェラーリ勢に勝ってセカンドロウを確保できたのは素晴らしいね。満足だ。
うまくまとめるのに少し時間がかかった。Q3では1周しかアタックできないと分かっていたが、自分には速さがあるということも、どこでそれを発揮できるかということも分かっていた。それまでうまく1周をまとめられずにいたけれど、それさえできればよかったんだ。一番肝心なQ3でうまくやれたから、大満足だよ。
(F1iに対して語り)心の中で他の全員に勝たなければならないと思っている。でもQ2では彼(フェルスタッペン)ほどうまくいかなかった。彼は1周目でうまく決めた。僕は2回目のランが必要だとは思わなかったけど、チームが慎重に行きたいという考えだったので、もう一度走った。でも2回目のラップもそれほどよくなかった。
それでもQ3ではもっとうまくやれると分かっていた。どこでタイムを引き出せるかも、1周をうまくまとめればいいタイムになるということも分かっていた。唯一不利だったのは、Q3でタイヤが1セットしかなかったことだ。でもそういう条件で戦ったのは初めてじゃない。
そういう状況は興奮をもたらす。マックスはすでに最初のセットでいいタイムを出していた。チームメイトにもフェラーリ勢にも注意していた。そのうち誰かひとりを上回ることができれば上出来だと思っていたが、3人全員に勝てた。いい一日だったね。一度たりとも自分の力を疑わなかったけれど、結果を出せたのがかなり遅かった。
マックスの加入は僕にとってひとつのチャレンジだ。彼は若手の中では一番ホットな人材で、予選を通してすごく速かった。
僕にとっていいことだ。より大きなチャレンジに立ち向かえるのも、自分の力を測る対象が得られることもね。
今日は僕がQ3でいいラップをたたき出すことができた。これからのシーズンでどうなっていくのかは見ていくしかないけど、エキサイティングなのは間違いない。
■レッドブル・レーシング
マックス・フェルスタッペン 予選=4位
予選を楽しんだ。1周ごとによくなっていったよ。今日の目標は楽しむことだった。マシンの感触はよかったし、やるべきことに集中した。うまくいったと思う。
ハッピーだよ。こんなに早くマシンに適応できると思っていなかった。2列目が取れるってこともね。だから今は嬉しい。
表彰台に近いところにいるから、明日のレースでもこの位置を維持したい。
(Formula1.comのインタビューで「ダニエル・リカルドに勝てると思ったか」と聞かれ)彼を倒そうとか、そんなことは一切考えなかった。マシンの挙動に集中し、1周1周を楽しんでいたんだ。
今日みたいにダニエルと僕が互いに競い合うのはチームにとっていいことのはずだ。今後に向けていい兆候だと思う。
(「Q1とQ2では勝っていたのにQ3で負けたのはなぜか。完璧なラップが走れなかったからか」と聞かれ)レッドブル・レーシングで走る初めての予選だったんだよ。完璧なラップなんてありえないよ! 僕はただ、自分が進歩していることに満足している。週末の間、マシンに乗るたびに感触がよくなっている。それが重要なんだ。
■スクーデリア・フェラーリ
キミ・ライコネン 予選=5位
楽な一日ではなかった。ベストを尽くしたけれど、期待外れの結果に終わった。
最終セクターでかなり苦労していたので、そこで大きくタイムをロスしていたのも意外ではない。
予選前にセットアップにいくつか変更を加え、マシンの感触は改善した。それでも、希望どおりのハンドリングにすることも、思ったようなラップを走ることも簡単ではなかった。
昨日はまずまずの感触で、今日の方が速さがあったけれど、風向きが変わり、かなり難しい箇所がいくつかあった。
最後のランは今日一番うまくいったが、それでも理想的だったわけじゃない。ライバルたちの方がいい仕事をした。努力し続けて改善を目指し、明日の決勝で何ができるかを考える。
どういうわけか僕らは苦しんだが、ライバルたちはいい仕事ができた。単純にそういうことだ。
■スクーデリア・フェラーリ
セバスチャン・ベッテル 予選=6位
どんな日でも苦戦する可能性があるのは分かっているけれど、これほどトップから離されるとは思っていなかった。午前中はいいリズムをつかんでいただけになおさらだ。
マシンをうまくコントロールすることができず、今朝と同じような感触が持てなかった。それでいいラップをまとめることができなかったんだ。ここではうまくまとめられないと大きなロスになる。それは分かっているから、意外ではない。
メルセデスとのギャップは予選になって拡大した。つまり僕らがうまくやれなかったということだ。
決勝を考えれば、予選順位は上位であればあるほどいい。それはどのサーキットでも同じだ。
スタートと1周目をうまくやることに集中する。長いレースだから僕らにやれることはいくらでもある。
通常ここでは複数回のピットストップが必要になるから、戦略をうまく実行し、僕らより遅いドライバーたちの前に出ることができるだろう。僕らのマシンは6位というポジション以上の速さを持っている。だから明日には大きな期待を抱いている。
■ウイリアムズ・マルティーニ・レーシング
バルテリ・ボッタス 予選=7位
もっといい結果を期待していたけれど、いいラップだったし、Q3での仕事には満足している。でもフェリペは残念だったね。
明日は高い目標を掲げ、トップ5でフィニッシュすることを目指す。いいスタートを切って、戦略を活用すれば可能だよ。1周目にできるだけたくさん順位を上げたい。
■スクーデリア・トロロッソ
カルロス・サインツJr. 予選=8位
今日の予選には大満足だ! 今週末ここまではずっと強さがあって、8番手は期待できる最大限のポジションだった。それをつかむことができたんだ。Q3での自分のラップにはとても満足している。
明日のレースは本当に面白いものになるだろうし、母国のファンの前で4列目からスタートするのがすごく楽しみだ。ホームレースはいつも特別で、4歳でF1を初めて見たころからの夢だった。ついに夢が叶って、自分がここにいるなんて、素晴らしい気分だよ。自分自身も楽しんで、ファンにもいいショーを見せられるように頑張る。
■サハラ・フォース・インディアF1チーム
セルジオ・ペレス 予選=9位
9番手からスタートすることになり満足だ。このコースは伝統的に僕らには適していないので、アップデートを持ち込んだ週末にQ3進出を果たせたなんて、かなりいい気分だよ。
Q3のラップはもっと速く走れるポテンシャルがあったけれど、この結果には満足している。
レースで競争力を発揮できることを期待している。このコースは昔からオーバーテイクが簡単ではないから、いいポジションにつけるのは重要なことだ。
トップ10のすぐ後ろから新品タイヤでスタートするグループは脅威ではあるが、いいスタートを切って前の位置をキープできる自信がある。
戦略とタイヤマネジメントが重要だけれど、バトルに巻き込まれるとタイヤのライフが削られるから、簡単にはいかない。大量にポイントを持ち帰ることができたら、ここ最近とても頑張ってくれたチームへの、素敵なお返しになるね。
■マクラーレン・ホンダ・フォーミュラ1チーム
フェルナンド・アロンソ 予選=10位
Q3をテレビで見て過ごさなかったのは久しぶりだよ!
Q3というショーに参加できて嬉しい。新生マクラーレン・ホンダにとって初のQ3進出だ。でも数戦前からこの結果にふさわしいパフォーマンスは持っていたと思う。
でもそのことはもういい。今は精いっぱいエンジョイし、その後、明日に気持ちを向け、このポジションをどうやって選手権ポイントにつなげるかを考えよう。Q2で走ったユーズドタイヤで決勝をスタートするのは今年初めてだから、ある程度戦略を考える必要がある。タイヤを自由に選べないことは少し不利なので、何らかの方法でリカバーすることを考えていく。
それでも明日はさらに順位を上げることを考えるべきだ。このサーキットでポジションを上げるには、スタートとピットストップが重要になる。なぜなら明日はオーバーテイクはあまり見られないと思うからだ。だからこそ、スタートにフォーカスし、タイヤをうまく管理して走る必要がある。デグラデーションもひとつの要素になるだろう。
まだ先は長い。でも大きな一歩を踏み出すことができた。
(現状を打破する大きな成功だと思うかと聞かれ)そう思う。僕らにふさわしい結果だ。(マクラーレン・ホンダが復活して以来)初めてQ3に進出できて素晴らしい気分だよ。(他のマシンに)大きなインシデントがないなかでの結果だけに、僕らにとってはいいニュースだ。いつか越えなければならないハードルだった。
大きく進歩し、正しい方向に向かっている。マシンにアップデートを施すたびに競争力が増している。
でも現実を見つめなければ。まだ道のりは長い。ポールポジションまではまだまだ遠いからね。
これはほんの一歩にすぎない。これからも地道に努力していく必要がある。
(ロイターに語り)目標はワールドチャンピオンだからまだそこからはかけ離れている。だからこれは達成すべき小さな目標にすぎないということだ。