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桃井かおり監督が放火を犯した娼婦を自ら体現、中村文則原作『火 Hee』

2016年05月16日 12:50  CINRA.NET

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『火 Hee』 ©YOSHIMOTO KOGYO、チームオクヤマ
桃井かおり監督の映画『火 Hee』が、8月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で順次公開される。

現在はアメリカ・ロサンゼルスを拠点に活動する桃井。2006年公開の『無花果の顔』以来、2作目の監督作品となる同作は、放火を犯した娼婦が精神科医と対話しながら、生涯を告白する様を綴った中村文則の短編小説『火』をもとにした作品だ。今年2月には『ベルリン国際映画祭』フォーラム部門で先行上映された。

主人公を桃井自身が演じる。エグゼクティブプロデューサーは奥山和由。

■中村文則のコメント
桃井さんの圧倒的な才能に戦慄しました。
何てすごいんだろう。この映画はきっと伝説になる。

■桃井かおりのコメント
中村文則氏原作の「火」は、主人公がただ喋り続ける、ト書きさえないという、とにかく画期的な小説です。最初、奥山和由プロデューサーから出演のお誘いがあり、その後すぐ「桃井さんが監督するっていうのもアリかな?」と仰って頂いたんです。中村文則氏や奥山さんの勇気に比べれば、桃井が引き受けたことなど大したことではありませんが、この作品は彼らの勇気に報いる覚悟がなければならないと痛感していました。
主人公の女は、放火を犯しながら罪の意識さえない、物事を判断する尺度が折れ曲がっているとしか思えない女。でも、零れ落ちてくる言葉には、なぜかリアリティがある。誰でもいいからつながろうと生きている。どこか今の時代の象徴だと感じます。私はそんな人間を描き、演じたかったのです。