F1スペインGPでは、第2戦バーレーンGP以来のフロントロウ独占となったメルセデス。チームマネージャーを務めるロン・メドウは「2台とも心配していた信頼性の問題は、これまでのところ出ておらず、あと1日なんとか乗り切ってほしい」と語っている。
そのメドウによれば、決勝のタイヤ戦略は、おおむね2回ストップではないかという。
「2回と3回どちらが良いかだが、ここは、そもそもオーバーテイクが難しい。シミュレーションでも2回のほうが6~7秒速いから迷うことはないだろう」
トップ10からスタートするドライバーの場合、1回目のピットストップは15周前後。その後ミディアムで25周走り、残り25周を再びミディアムで走りきるというのが定石となるのではないかと予想する。
ただしピレリのレーシングマネージャー、マリオ・イゾラは「タイヤのデグラデーションによっては、3回ストップもありうる」と言う。というのも今年のスペインGPは金曜日と土曜日の夜に、2夜連続で激しい雨が降り、ラバーが洗い流されて、例年よりもコースが“グリーン”な状態でレースがスタートされるからだ。
もうひとつ気になるのが、メルセデスふたりのスタートタイヤ。Q3に進出したドライバーは、Q2でベストタイムを刻んだときに履いていたタイヤでレースをスタートしなければならないことになっている。Q2はルイス・ハミルトンがトップで、ニコ・ロズベルグは2番手だった。ハミルトンの1分22秒159に対して、ロズベルグは1分22秒759とコンマ6秒も遅いペースで走っている。
つまり同じ3周を走ったタイヤでも、ロズベルグのほうが状態は良さそうなのだ。それがレース序盤のパフォーマンスに、どのような影響を及ぼすのか。
カタルニア・サーキットで開催されたスペインGP、過去25回を振り返ると、ポールポジションからスタートしたドライバーが優勝したのは19回。果たしてジンクスどおり、ハミルトンが今シーズン初優勝を挙げるのか。あるいはロズベルグがピットストップ戦略で逆転するのか。レッドブルでのデビューとなるマックス・フェルスタッペンは4番グリッドから初表彰台に上がることができるのか。初めてQ3へ進出したマクラーレン・ホンダは、どこまで戦えるのか。
ヨーロッパラウンド開幕戦となるスペインGPは、現地時間の午後2時(日本時間21時)にスタートが切られる。