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福住、GP3初表彰台でチームに感謝「でも、もうちょっと速く走れたかな」

2016年05月15日 03:31  AUTOSPORT web

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初戦で表彰台に上がった福住
GP3の2016年シーズンは、F1スペインGPとともに開幕した。マシンがGP2/16に刷新され、各チームにとって新しいシーズンの始まりとなる。

 日本から参戦する福住仁嶺は開幕前テストでの好調さをキープして、5月14日の午前中に行われた予選で4番手を獲得。F1予選後の午後5時20分に行われた決勝レース1では4番グリッドから好発進を決め、1コーナーでの激しいバトルを制して、3番手に浮上した。

「良い発進ができて、3台並んで1コーナーに飛び込んで行ったんですが、僕は真ん中にいたので、どうすることもできませんでした。あまりまわりが見えてなかったんで危なかったですが(笑)うまくいったと思います」

 その後、ターン4で後方のアントニオ・フォッコにインを狙われたが、うまく抑え込んで3位を死守。そこからは安定したペースで上位2台についていき、4位以下を10秒以上引き離す危なげのないレースを見せた。

「1周目は、ちょっとターン4で危ない場面もありましたけど、それ以外は落ち着いて走ることができました。こんなにスムーズなレースができるとは思っていませんでしたが、前のほうからスタートできたこともあって粗いバトルに巻き込まれることもなかった。気持ち的にも良くレースができました」



 フェラーリ育成ドライバーのフォッコがトップ集団から大きく引き離された4位でレースを終え、昨年優勝経験もある地元スペインのアレックス・パルーが19位と低迷するなど、GP3は決して簡単なシリーズではない。ジャン・アレジの息子ジュリアーノは、トラブルによるピットレーンスタートで最後尾まで落ち、最後まで浮上のきっかけをつかめなかった。

 まだニューマシンでのロングランデータが十分でないということもあってか、初戦はGP3にしては珍しいくらい静かなレース展開となった。首位は福住のチームメイトであるシャルル・ルクレールで、2位のジェイク・ヒューズは次第にペースが低下。レース終盤に福住はヒューズまで2秒以内と迫ったが、結局トップ3は変わらず、チェッカーフラッグを受けることとなった。

「この場にいられることが、うれしいです。ホンダさんとARTのみんなに感謝したいです」

 ヨーロッパに来て、初戦で3位表彰台。しかし福住自身この程度では、まだ満足していないようだ。

「この感じならGP3でも戦っていけそうです。でも、もうちょっと速く走れたかなとも思います。自分自身まだ走りを変えられると思うんで、頑張りたい」

 アドバイザーの鈴木亜久里と松浦孝亮も福住の安定感ある走りを絶賛し、山本雅史モータースポーツ部長などホンダ関係者も表彰台の下に駆けつけた。過去にエステバン・グティエレスやバルテリ・ボッタス、ダニール・クビアトらがチャンピオンに輝き、F1に直結するキャリアを切り開いたGP3で、福住はさらなる活躍を見せてくれそうだ。