昨年はイギリスGPでBスペックを投入したフォース・インディアが、今年はスペインGPで大がかりなアップデートを行ってきた。変更箇所は、金曜日の段階で確認できるだけでも、ノーズ、フロントウイング、サイドポンツーンと多岐にわたる。
ノーズのコンセプトはロシアGPまで使用していた旧型と同じ、穴あきの「コブラノーズ」だが、新型はふたつのスロット周辺のフォルムが変わっている(トップ写真:黄の矢印)。空気がスロット部分に向かって流れやすくなるよう、ノーズ全体が3D形状となっている。またノーズのアウトラインが、より鋭角になっている(トップ写真:赤の矢印)。フロントウイングを吊り下げるステーの前後長が長くなっているのも新スペックの特徴である(トップ写真:緑の矢印)。
フロントウイングは、各フラップの翼端板側の形状を湾曲させる処理を行っている。これは昨年の第3戦中国GPでメルセデスが投入したアイデアで、これにフェラーリなどが続いているもの。フォース・インディアの新フロントウイングは、メルセデスに近い半円形に湾曲したくぼみを持っている(トップ写真:紫の矢印)。また、翼端板の内側に設けられているカスケードウイング後方に、小さなフィンがふたつ装着されている(トップ写真:青の矢印)。
サイドポンツーンは後方の下側の絞り込みが大きくなっている(上写真:赤の矢印)。これにあわせてカウル後端の形状を変更(下写真:黄の矢印)するとともに、リヤウイングを支えるセンターピラーの直後に設置してあったモンキーシート(下写真:青の矢印部分)が取り除かれている。さらに、フロアのリヤタイヤ前に設けられているスロットの形状と数にも変更を加えてきた(下写真:赤の矢印)。
フォース・インディアは今季この大型アップデートで効果が見られなかった場合は、2017年マシンの開発へ重心を移すと明言している。