ロマン・グロージャンはハースF1チームの姉妹チームであるスチュワート・ハース・レーシング(SHR)から、NASCARスプリントカップへの参戦計画に意欲的ではあるものの、はっきりとした予定はわからないと言う。
ハースの最高執行責任者(COO)を務めるジョー・カスターは今週チームはグロージャンのNASCAR参戦を真剣に考えていると発言。グロージャン自身もスペインGPに先立って、参戦を希望すると明言した。12日の木曜日にバルセロナのパドックで、グロージャンは以下のように語っている。
「もちろん(NASCARに)出場したい。それは当初から話し合いを進めてきたことで、素晴らしい経験になると思う。F1は21戦とスケジュールがかなり厳しいので、いつになるかはわからない。初めてのレースがオーバルだと安心して走れないから、そうでないといいな。何ができるかを探っていく」
ハースF1の創設者であるジーン・ハースは、NASCARシリーズで3度のチャンピオン獲得経験を持つトニー・スチュワートとともに、SHR NASCARチームの共同オーナーとなっている。同チームは現在、NASCARのレギュレーションで許可される最大参戦台数である4台でシリーズを戦っている。グロージャンが加入することになると、フル参戦中のケビン・ハービック、カート・ブッシュ、スチュワート、ダニカ・パトリックのいずれかがマシンを降りることになる。
グロージャンには、SHRと提携関係にある中団チームのHスコット・モータースポーツから参戦するという道も残されている。チームからは現在クリント・ボイヤーが参戦しているが、2016年を最後に引退するスチュワートの後継として、来季はSHRへの移籍が決定している。
シリーズ中、オーバルコースを走らないレースはソノマ、ワトキンスグレンの2戦。どちらも今シーズンのF1カレンダーとはバッティングしない。これまでグロージャンのキャリアはシングルシーターがメインではあったが、ルノーF1で一度シートを失ったあと、2010年のFIA GT1世界選手権のシリーズ前半にマテック・フォードで出場し、優勝も経験している。
ただし、グロージャンはGTでの経験はNASCARと結びつくものではないと言う。スポーツカーの経験が役立つか否かと聞かれると、「NASCARはより重く、パワフルでブレーキの効きもそれほど良くない。接触も多いし、学ぶべきことは多いだろう。だけど、やらない理由はないよ」と答えた。