2016年05月13日 10:51 弁護士ドットコム
全国大学高専教職員組合(全大教)は5月12日、東京都・霞が関の厚生労働省記者クラブで記者会見を開き、国立大学病院で働く看護師の労働状況に関する調査結果を発表した。看護師の9割以上が、身体、精神ともに「とても疲れる」「やや疲れる」と回答するなど、病院看護の過酷な実態が浮き彫りになった。
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調査は2009年以来で、昨年10月に実施。国立大学で働く全看護師のおよそ4分の1に当たる8414人から回答を得た。
このうち、仕事内容について、身体面で「とても疲れる」と回答したのは45.4%、「やや疲れる」は48.7%だった。精神面でも同様で、「とても疲れる」が45.9%、「やや疲れる」が46%で、いずれも9割以上が「疲労」を訴えている。厚生労働省が行った同種の調査と比較すると「とても疲れる」の割合は、身体、精神ともに一般労働者の約3倍ほどだという。
労働時間については、8割以上が「残業がある」と回答。残業時間を尋ねたところ、交代制で働く看護師の「過労死ライン」とされる月60時間以上の残業をしていた看護師は4.3%いた。
国立大学病院の看護師は、前回調査時から6000人以上増え、人数はおよそ1.2倍になっている。しかし、手術件数や外来患者なども増えているため、現場が「増員」を実感できない状況にあるという。
全大教の長山泰秀書記長は「休憩の取得率が増えるなど、労働環境は改善に向かって動き出しつつある。ただ、まだまだ看護師の疲労軽減には結びついていない状況だ」と話していた。
(弁護士ドットコムニュース)