レッドブル・レーシングからトロロッソに戻されるという衝撃の決定が下されたダニール・クビアトがスペインに登場、チームの発表後、初めてこの問題について口を開いた。
レッドブルはロシアGP後、クビアトをトロロッソへ、代わってマックス・フェルスタッペンをレッドブル・レーシングへ移籍させることを発表した。
スペインGPでのFIA木曜記者会見には当事者であるクビアトとフェルスタッペンが顔をそろえ、さまざまな質問に答えることになった。
クビアトは、レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコが電話でチームの決定を知らせてきたと明かした。
■テレビドラマを見ていたら突然の異動の知らせが……
「モスクワにいて、ソファに寝ころんでテレビを見ていた。そしたら電話が鳴った」とクビアト。
「『ハロー、君に知らせたいことがあるんだけど』と言われた。そして20分ぐらい話をした。説明が欲しかった。僕としては当然だと思う。細かいことをいろいろ知りたかった。でも今はそれについては胸にしまっておく」
「マルコさんが電話してきた。会話が終わった後、僕はテレビ(ドラマのゲーム・オブ・スローンズ)の続きを見た。それだけだよ」
しかしチームからはしっかりした理由の説明はなかったとクビアトは言う。
「正直言って、本格的な説明はなかった。ボスは、何かしたいことがあれば、そうするだけだ。単純な話だよ」
■「何も悪いことはしていない。コース上で力を証明するだけ」
クビアトは、自分は何も悪いことはしておらず、これからトロロッソで結果を出して力を証明するだけだと語った。
「もちろんこういう決定が下されたことはショックだった。でもこれが現実なのだし、僕はいつだって答えをコース上で出してきた。それは今後も変わらない。コース上でできる限り力強く答えを出すことを目指す」
「17戦残っている。トロロッソでは2014年にレースをしていて、大好きなチームだ。この数日、チームは本当に温かく僕を迎えてくれた。心から感謝している。チームの雰囲気をポジティブに感じる。チームと僕の目標ははっきりしている。コール上で限界までプッシュして、そこで答えを示したい」
「3週間ほど前には表彰台に立っていた。そしたら突然いくつか決断が下された。ボスが決めたことであり、僕はその決断を受け入れて、今のチーム、トロロッソでできるだけいい仕事をするしかない。問題ないと思う。でも、僕は今まですべてのことを正しく行ってきたと思っている。僕の側はこれからも何も変わらない」
■「降格」じゃない。キャリアは終わってない
クビアトはたびたび繰り返される「降ろされた」という言葉に反応、それは正確な表現ではないと述べている。
「まず、“降ろされた”という言葉はちょっとヘビーだと思う。だって今もレッドブルから大きなチャンスをもらっているんだから。ポジティブなことなんだ。それから、僕はチームのために全力を尽くしてきた。ポイントをもたらし開発作業にあたってきた。一緒にうまく働いてきたんだ。理由についてはチームの方がうまく答えられるだろう。僕には何の理由も見当たらない。彼らの問題であり、彼らに聞くべき質問だ」