フォーミュラE初代王者ネルソン・ピケJr.は今週末、FIA F3ヨーロッパ選手権へスポット参戦すると発表していたが、FIAが審査した結果、エントリーを認められなかった。
今季、フォーミュラEやFIA世界耐久選手権(WEC)のLMP1へ参戦しているピケJr.は先日、F3ヨーロッパへ参戦するカーリンと契約。今週末の第3戦ポーへスポット参戦を予定していた。
しかし、FIAのシングルシーター・コミッショナーは電子投票によりピケJr.の参戦を審査した結果、「選手権の精神に反する」として、参戦を認めないと結論。今年30歳のピケJr.のF3ヨーロッパ参戦は叶わなかった。
今回、ピケJr.の参戦が認められなかったのは、彼がフォーミュラEチャンピオンでありWECにも参戦していること、F1に28戦出場していることが要因となっているようだ。
シングルシーター・コミッショナー代表のステファノ・ドメニカリは「ネルソン・ピケJr.のような実績と才能あるドライバーを迎えることができていれば、どれだけ嬉しかっただろう」と語る。
「しかし、我々はF1へのステップアップカテゴリーというチャンピオンシップの精神を守る必要がある。そのため、カーリンによるエントリーを認めることができなかった」
「FIAは今年から、FIAヨーロッパF3選手権により細かな適合基準で審査するよう求めている。今回の決定は、この基準に従った結果によるものだ」
一方、エントリーが認められなかったカーリンは声明を発表。「ピケJr.はエントリーに必要な書類をすべてそ揃え、エントリーフィーも支払っていた」としているほか、チームオーナーのトレバー・カーリンは、ピケJr.が参戦できないことは「大きな損失だ」としている。
「F3に30年近く携わってきて、このシリーズが若いドライバーを育成するための場所だということはよくわかっている」
「ネルソンの出場は今週末限りのもので、選手権や参戦しているドライバーたちに明るい話題をもたらすものになるはずだったんだ。チャンピオンシップの精神を汚すことにはならないと確信していた」