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「新F1マシンでオーバーテイクは増える」。多数の懸念派に反論

2016年05月11日 17:51  AUTOSPORT web

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2016年ロシアGPスタート
2017年の新規則下のF1マシンは、速くはなってもオーバーテイクがより困難になると危惧する声が多いが、マクラーレンのレーシングディレクター、エリック・ブーリエはその意見に反論した。

 F1はより速くアグレッシブなルックスを目指し、来年はよりワイドなタイヤを導入、ダウンフォースを増大させることで合意している。

■“オーバーテイク減少”懸念派の意見

 しかしダウンフォースを増やすことにより、前のマシンに近づくのが難しくなり、結果的にオーバーテイクが困難になると、ニコ・ロズベルグやルイス・ハミルトンら複数のドライバーたちが主張している。

「2017年には(規則変更によって)バトルがしやすくなるべきなのに、そうはならないと思う。ダウンフォースに妨げられるのは明らかだ」とロズベルグは述べ、大勢のドライバーたちが同意見だと明かしている。

 メルセデス・モータースポーツのボス、トト・ウォルフもオーバーテイク減少を懸念しているひとりで、その根拠について次のように語っている。

「マシンはかなり幅広くなる。私がディフューザーに隠れることができるぐらいだ。ダウンフォースはかなり増大し、それによってコーナーではかなり速くなるだろう」とウォルフ。

「しかし残念ながらマシン後方の気流が乱れるため、今年以上に問題が大きくなるだろう」

「(前のマシンに)近づいた瞬間にダウンフォースを失う。タイヤが滑り始めて傷み、オーバーテイクできなくなる」


■「オーバーテイクは増える」とブーリエは主張

 ブーリエは、より速いマシンを導入しようとしている方向性は正しいとして、来季新規則を肯定的にとらえている。

「今のマシンは数年前より遅いと思う。F1にはドライバーたちが走っていて興奮できるような要素がある方がいい。今はその部分が少し欠けているかもしれない」とブーリエ。

「ファンには違いが分からなくても、ドライバーはグリップが高く、速いマシンに乗るのが好きなんだ」

 新規定により、オーバーテイクはむしろしやすくなるはずだと、ブーリエは考えている。

「他チームの人々が述べたと報じられているコメントには賛成できない」とブーリエは言う。

「レギュレーションは、マシンがより大きなダウンフォースとメカニカル(グリップ)を発生させるように起草された。つまりオーバーテイクの数が減ることはないはずだ」

「さらに、フロアとディフューザーよりも、フロントウイングの影響力は小さくなる。後方でより大きなダウンフォースが生み出されるのだ」

「通常、そうなればもっとオーバーテイクをしやすくなるはずだ」