今週末に開催されるF1スペインGPで、メルセデスはライバルチームからのプレッシャーが強くなるだろうと、トト・ウォルフが警戒している。
ウォルフは、スペインGPからの数戦で、今季の勢力図が見えてくると予想している。ほぼ全チームがアップデートを用意してバルセロナへ向かうことを考えると、メルセデスも状況を楽観視してはいられないと言う。
「この数戦は、様々なチームやパワーユニット・サプライヤーが大きなアップグレードを持ち込むため、本来の実力での順位が見えるようになる。その点でバルセロナは面白い週末になるだろうから、我々も備えておかなければならない」
「一方で、我々はコンストラクターズ選手権を大差でリードしており、ドライバーズ・ランキングでもトップ2の座を独占している。現実的なことを言うと、これ以上を求めるのは難しい。だからといって楽勝という状態ではなく、抱えている問題を解決しようと一所懸命に取り組んでいるところだ。ライバルたちも、すぐ後ろから容赦なく追い立ててくる。レギュレーションの安定が続けば続くほど、パフォーマンスを引き出すことが困難になる」
「我々は競争力を維持するために限界まで攻めているが、そうしていると、ある段階でリスクが限界を超えてしまう。シャシーとパワーユニットを含めたチーム全体が、信頼性で妥協することなく、パッケージからコンマ数秒単位で速さを引き出そうと精一杯の仕事をしている」
中国とロシアの2戦でルイス・ハミルトンを襲ったMGU-Hの問題が、現在メルセデスが抱える最も大きな懸念事項である。チームメイトのニコ・ロズベルグはシーズン開幕以来4連勝を達成しており、ハミルトンに43ポイントの差をつけた。現タイトル保持者のハミルトンは、これ以上のトラブルを抱えるわけにはいかない。
メルセデスのエグゼクティブ・テクニカルディレクターを務めるパディ・ロウは「2戦連続で出てしまったMGU-Hの問題を解決することが最優先事項だ。チームは問題を理解するために休みなく働いている。あらゆる面でクリーンな週末を過ごすことが目標だ」と語っている。