岡山国際サーキットで行われた開幕戦で、嵯峨選手と中山選手の駆る「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、性能調整によって1ランク昨年よりもリストリクタ―が絞られてしまい、かつルーフ上からボディサイドに吸気口を移設しなくてはならなくなった影響は、予選以上に決勝で表れることとなった。中山選手が5番手でQ1を突破し、Q2で嵯峨選手が順位は落としたとはいえども11番手につけて、決勝でじわじわ順位を上げていくはずが、ストレートパフォーマンスに優れるFIA-GT3に、テクニカルコースの岡山ですら抵抗を許されず。12位と屈辱の結果に終わっていたからだ。
公式練習 5月3日(火・祝)9:00~10:35 今回の公式練習は、中山選手から走り始めることとなった。路面状態が整うのを待って、10分経過後にコースイン。1時間経過直前まで走り続けた中山選手だったが、その間のイン~アウトは一度のみ。連続周回をこなしているのは、持ち込みのセットがマッチしていたからに他ならない。ピットでセット変更が行われる間に赤旗中断があったが、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の走行中でなかったのは何より。せっかくのリズムを崩さずに済んだからだ。その中山選手のベストタイムは1分37秒406
公式予選 Q1 14:30~14:45 今回のQ1担当は嵯峨選手。計測開始と同時に「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」はコースイン、15分間を有効に活用しようという算段だ。決勝当日の気温が高くなることが予想されていたため、比較的硬めのタイヤを選んでいたことから、ウォームアップは入念に、さらにポジショニングも整えるため3周走行した後にアタックを開始。まずは1分37秒620をマークし、次の周には37秒107へ。さらに2周走行するも、37秒814、37秒316とベストタイムを更新することはできなかった。それでも11番手で、難なくQ1突破かと思われたものの、走路外走行、すなわち四輪脱輪と判定されて、ベストタイムを削除されてしまったのだ。万事休す……と思われたのも束の間、セカンドベストタイムでもギリギリ14番手に踏み留まり、無事Q2で待ち構える中山選手にバトンを託すこととなった。
公式予選 Q2 15:15~15:27 続いて行われたQ2でも、中山選手は計測開始とともにピットを離れ、やはり3周走った後のアタックとなった。GT500クラスが走行して、しっかりと路面にラバーを乗せてくれたおかげで「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の旋回速度も、より高まっているのが目にも明らか。いきなり中山選手は1分36秒036をマークし、さらにタイムを詰めようと力走を見せるも、1分36秒290と逆にダウン。従来のレコードタイムを上回ったものの、今回は上にはまた上が……。35秒台に乗せた車両が2台もいたため、3番手とはなったものの、確実に優勝を狙えるポジションを得ることとなった。
ここでも中山選手からの走行となり、決勝セットの確認が行われていく。そして1分39秒081をマークした後、嵯峨選手に交代し、1分39秒575を記録する。それぞれ8周を走行し、上々の手応えを得ることとなった。なお、このセッションにおける「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」の順位は7番手に。
決勝レース(110周)14:00~ 12時50分からスタート進行が開始され、併せて行われる8分間のウォームアップで、今回のスタートを担当する中山選手は1分42秒006をマーク。早々に走行を切り上げてピットに戻った後、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は、実に5万人以上もの大観衆の見守るスターティンググリッドに並べられることとなった。
58周目に嵯峨選手から、再び中山選手にステアリングが託されたものの、ふたりとも淡々と走り続けるだけのレースは屈辱的ですらあったかもしれない。しかし、完走できなくては、より悔しい思いが残るだけ。そこには意地も含められていた。結局、「#31 TOYOTA PRIUS apr GT」は20位でゴール。貴重なチームポイントの1ポイントは得ることはできた。