ところが「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は一向にピットを離れない。ハイブリッドシステムの調整に手間取り、佐々木選手がようやく走り始めたのは、ほぼ30分を経過したところ。遅れを取り戻すべく力走を重ね、まずは1分39秒205をマーク。いったんピットに戻ってセットを改め、1時間が経とうという頃、再びコースに戻るも、その直後に赤旗が。
公式予選 Q1 14:30~14:45 今回も予選のQ1は佐々木選手が担当。路面状態の安定を待ち、まずはピットで3分ほど待機した後、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」はコースイン。2周のウォームアップを行ってから、佐々木選手はアタックを開始する。まずは1分37秒541をマークし、一旦クールダウンした後、再度アタックをかける。そのラップは1分38秒089に甘んじたものの、まだタイヤに余力が残されていることから、チェッカーまで佐々木選手は攻め立てることに。だが1分37秒890を記すに留まり、タイムアップならず。公式練習から1秒以上も短縮したものの、周囲の上がり幅はより大きかった。17番手に甘んじたことから、Q2進出は許されずに終わる。決勝は8列目からのスタートに。
決勝日・フリー走行 5月4日(水・祝)8:30~9:00 心配された雨は夜のうちに降ったものの、早朝には止んでいたばかりか、強い日差しが一気に路面を乾かして、フリー走行が始まる頃にはほぼドライコンディションに。前日の公式練習を十分に走れなかった「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」にとっては、遅れを取り戻すまたとない機会にもなった。まずは佐々木選手からの走行となり、時間を余すことなく使おうと計測開始と同時にコースイン。
決勝レース(110周)14:00~ 国内レースとしては最多の集客を誇る、ゴールデンウィークの富士500kmレースだが、今年も5万人を超す大観衆がサーキットに集まり、今さらながらにスーパーGTの人気の高さを伺わせることとなった。スタート進行の始まりと同時に行われる8分間のウォームアップには、今回もスタートを担当する佐々木選手が走行。その力強く走る様子は、まさに準備万端といったところ。いったんピットに戻った後、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は熱い視線が注がれるグリッドに並べられた。今回はスタート前に、熊本地震の犠牲者に対する黙祷が。本来、次回のレースはオートポリスが舞台だったのだが施設の損傷もあり、また周辺環境への配慮から中止となることが正式に発表されていた。
全車が最初のドライバー交代を済ませた時点で「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」は16番手。前後を走るのはいずれも歴戦のドライバーながら、永井選手は堂々たる走りを見せ、中盤も脱落する車両が相次いだことで64周目には、ついに13番手にまで浮上した。その矢先にGT500車両にアクシデントが発生。66周目から70周目までセーフティカーがコースに入る。昨年までの規定であれば、この間にドライバー交代を行うものの、今年からはSCランの終了までピットに入ることは許されない。ほぼ2時間を経過した71周目、ピットロードがようやく開放されて「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」が戻ってくる。JAF-GTならではの燃費の良さもあり、素早く佐々木選手はコースイン。
前述したとおり、オートポリスのレースが中止になったことで、次のレースは7月に開催されるスポーツランドSUGO。テクニカルレイアウトが、プリウスの大好物であるのは冒頭でも触れたとおり。2か月ほどインターバルは広がってしまったが、「#30 TOYOTA PRIUS apr GT」には今回の勢いを保ちつつ、さらなる躍進の期待が込められることとなった。