2016年05月09日 19:12 弁護士ドットコム
自らの女性器をスキャンして作った3Dプリンタ用データを不特定多数に送信したり、女性器をかたどった作品「デコまん」を展示をしたりしたとして、わいせつ電磁的記録頒布やわいせつ物公然陳列などの罪で逮捕・起訴された芸術家・漫画家の「ろくでなし子」こと五十嵐恵被告人に対し、東京地裁は5月9日、データ提供は有罪、作品展示は無罪とする判決を下した。
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判決を受けて、ろくでなし子さんは、「(裁判所がデコまんを)『ポップアートとして認められる』と認識してくださったことはとても嬉しかった」と話した。一方、3Dデータの配布が有罪となり、40万円の罰金を命じられた点については、「当然不服ですので、これからも争っていきたいと思います」と述べた。
4月、英国のロックバンド「ザ・ウォーターボーイズ」のボーカル、マイク・スコットさんとの婚約を発表したばかりの、ろくでなし子さん。判決前、アイルランドのスコットさんから「君の無罪を信じている。頑張れ」と激励のメッセージを送られたという。
裁判では、ケーキ風に装飾した「スイーツまん」など「デコまん」3点の展示が、わいせつ物陳列の罪に問われたが、無罪とされた。ただし、裁判所がデコまんを無罪としたのは「『性器には見えないから』という理由だった」という。
ろくでなし子さんは「性器が即わいせつで、それ以外の性表現は『性器さえ見せなければわいせつではない』というおかしな価値観が変わっていないことに、凄く憤りを感じている」とも述べた。
さらに、裁判を振り返り、
「(自分は)男性目線から見た『わいせつ』でしか語られない女性器という概念を覆すために活動している。そこの辺りが裁判官に通じなかったのが悔しかった。今後、活動するのに、気を遣いながら作るというのが凄くバカバカしい。そこが残念。私は自分の無罪を信じているので最後まで戦いたい」
と話した。
(弁護士ドットコムニュース)