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『ラヴソング』宍戸春乃役&劇中歌でも話題、新山詩織の歌唱力を改めて検証する

2016年05月09日 17:31  リアルサウンド

リアルサウンド

新山詩織。

 福山雅治が主演、シンガーソングライターの藤原さくらがヒロイン役をつとめ、主題歌「Soup」(作詞・作曲/福山雅治)を歌う月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ系)。元プロミュージシャンの臨床心理士・神代広平(福山)が、吃音症を抱えた整備工・佐野さくら(藤原)と出会い、お互いに自らの在り方を見つめ直しながら、人生を取り戻していく——というストーリーだが、その重要な媒介となっているのが音楽だ。


 第1話でさくらがカウンセリング中に歌った「500マイル」(ピーター・ポール&マリーの名曲に忌野清志郎が歌詞を付けた日本語バージョン)、第3話のさくらと神代のライブシーンで披露された楽曲(「やさしさに包まれたなら」/松任谷由実「Your Song」、LOVE PSYCHEDELICO「Summer Time」、ジャニス・ジョプリン「500マイル」)も印象的だったが、このドラマにはもうひとりの歌手・宍戸春乃が登場し、その存在がストーリーに奥行きを与えている。宍戸と神代は過去にユニットを組んでいて、メジャーデビューも経験。宍戸は既に他界しているというストーリーなのだが、回想シーンなどで使用される劇中歌「恋の中」が大きなインパクトを残している。そのミステリアスな役どころを演じているのが新山詩織だ。


 藤原さくらと同じく、今年20歳になったばかりの新山詩織は、3年前に現役女子高生シンガーソングライターとしてメジャーデビュー。思春期特有の感情の揺れをリアルに描き出す楽曲、瑞々しい可愛らしさと凛とした鋭さを併せ持ったボーカルによって、同世代のリスナーを中心に支持を拡大してきた。20歳の誕生日(2月10日)にリリースした最新シングル『隣の行方』では、学生時代の恋愛を現在の視点から描いた歌詞で、さらなる成長を体現。10代の葛藤を歌い続けてきた彼女は、20歳になるタイミングをきっかけにして、楽曲の幅を確実に広げつつあるようだ。


 そして『ラヴソング』の劇中歌「恋の中」は作詞・作曲を福山雅治が手がけたミディアム・バラード。アコースティックギターを中心としたブルースロック風のサウンド、<身体だって心だって正直だから/やっぱり一緒がいいな>という歌詞からは、大人の女性の情感が色濃く感じられる(宍戸の年齢は、おそらく20代中盤~後半に設定されている)。新山自身もTwitterでドラマ出演に関して「いつもとは違った新山詩織含め、楽しんで頂けたら嬉しいです」とコメントしているが、『ラヴソング』への出演が彼女にとって意義深いトライになっていることは間違いないだろう。


 5月2日の放送や5月9日オンエア分の予告編を見る限り、神代・宍戸のライブシーンも少しずつ見ることができそうだ。藤原さくら、新山詩織という気鋭のシンガーソングライターふたりが出演する『ラヴソング』。役を演じ、架空のストーリーを生きることで、彼女たちの音楽表現にどんな化学反応が生まれるのか…? このドラマにはそんな楽しみ方もあると思う。(森朋之)