GOODSMILE RACING & TeamUKYO レースレポート 2パンクに泣かされ勝負権喪失。18位で完走
SUPER GT 第2戦
会期:2016年5月3~4日
場所:富士スピードウェイ
(静岡県)
天候:雨~晴れ
動員:8万5800人(2日間)
予選:10位
決勝:18位
■5月3日(火) スピードが伸びないながらも予選は10位
ゴールデンウィーク中に開催されるだけあって、シーズン中一番の動員を集める第2戦 富士スピードウェイ。前戦岡山で2位を獲得した勢いを持って第2戦に挑むGOODSMILE RACING & TeamUKYO。
できる限りのテストを重ね、今回も表彰台を狙うべく予選日朝の練習走行に挑むも、走行スタートと同時にタイヤのトラブルが発生。タイヤ対策に時間をほぼ使い切り、ポテンシャルを発揮できないまま走行時間は終了した。
予選日とは思えぬほどのファンが詰めかけたピットウォーク後に、予選1回目がスタート。谷口選手がステアリングを握り、渾身のアタックを敢行。5周目に「1'37.028」を記録してトップ陣に入ったものの、ライバルたちは続々と36秒台を記録する。最終的に10番手で1回目を通過した。
予選2回目は片岡選手が担当。練習走行時の不調がウソのようにベストタイム「1'36.893」を叩き出すも、1回目と同じく10番手という結果に。決勝レースは10番グリッドからのスタートになった。
■5月4日(水)不運の数々がミクAMGを襲い18位に
心配された暴風雨も朝には弱まり、台風一過のような気候になった決勝日。フリー走行前には風が強かったものの、雨もなく路面も乾きつつあった。
予選日以上の人数となったグリッドウォークを挟み、500kmというシリーズ2番目に長いレースがスタートする。なお、今回のレースでは2回のピットインが義務付けられるので、各チームともタイヤ選びやスタートドライバーなど戦略に頭を悩まされる。
グッドスマイル 初音ミク AMGのスタートを担当するのは、序盤の混乱に強い片岡選手。ローリングスタートでレースが開始。いつも通り、スタート時の混乱の中をすり抜けていくのかと思いきや……。スピードがまったく出ず、どんどんオーバーテイクされてしまう。片岡選手からは無線で「(まわりに)ついていけない!」と悲痛な叫びが。18位まで順位を落とし、21周目に早めのピットイン。ここで、タイヤを交換し、ドライバーは谷口選手へ交代。
アウトラップで24位まで落ちたものの、徐々に順位を取り戻していき、46周がすぎる頃にはなんと10位、ポイント圏内を走っていた。しかし、悪夢が谷口選手を襲う。52周目になんと左フロントタイヤがバーストしてしまった。緊急ピットインを余儀なくされ、ドライバーはそのままにタイヤ交換を済ませ、再びレースに復帰。この時点で、順位はトップと2周差の22位まで下がってしまう。
周囲のライバルたちが1分40~41秒台で走行する中、谷口選手は1分39秒台を連発。これまでの不調を払拭するべく快走を続けた。だが、再びアクシデントが発生。63周目にGT500のマシンがタイヤバーストによりボディーが大破、そのままセーフティーカーランとなった。今季からセーフティーカー中はピットインできないルールになったので、セーフティーカーが解除されたタイミングを見計らって、69周目にルーティンのピットイン。ここでタイヤを交換し、再び片岡選手が出撃。アウトラップで18位になったものの、トップとは3周差になってしまった。
新しいタイヤを装着し、1分39~40秒台で走る片岡選手だったが、前を走るライバルに追いつくことは叶わず、最終的に順位の変動はなく、18位でチェッカーを受けた。
2位表彰台から一転、ノーポイントに終わってしまった第2戦富士。次戦はオートポリス(大分)の予定だったが、熊本地震の被害のため正式に中止が発表され、7月23~24日のスポーツランドSUGOになった。岡山と同じくテクニカルなサーキットなので、ここで好成績を残したい。
■チーム関係者コメント
安藝貴範 代表
本当に厳しいレースでした。序盤、片岡選手が襲われるかのように次々抜かされていくのは見ていられませんでしたね。富士戦はあと1回、もしかしたら2回あるかもしれないので、苦手なままだとどうにもなりません。早急に対策を考える必要があります。タイヤだけの問題ではなく、クルマのスピードも足りなくて、改善すべきポイントはわかっているんですが、それが我々の手の中にない、という感じですね。YOKOHAMAさんやメルセデス・ベンツさんとしっかりコミュニケーションを取って、2回目の富士までには解決できればと思います。
片山右京 監督
何が起こったのかわからないまま、気がついたら順位が落ちていました。片岡選手があんなに抜かれるシーンなんて初めて見たくらいです。ちょっとまだ原因がわからないですけど、序盤の不調、そしてパンクがなかったらポイント圏内でゴールできたかと思うと悔しいです。今回もピットウォークとかで小さい子供たちに「頑張ってください」と言われたり、ひたすら旗を振ってくれているファンのみんなを見ていると、今日みたいなことがあっても走り続けなきゃって気持ちになりますね。
大橋逸夫 コミュニケーションディレクター
タイヤとかマシン側の問題だと、ドライバーふたりはどうにもできないので、彼らのモチベーションを維持するためにも、次戦までに原因を解明する必要があると思いました。他のチームを見てて気がついたのは、どこもマシンが速いので、ちょっとでもトラブルを起こせばすぐに下位に沈んでしまうし、トラブルなく走ればマシンの速さも手伝って入賞の可能性が大きく上がります。逆にいえば10位以内に入るのは結構大変ということですね。今年は全体的にレベルが底上げされたような気がします。
谷口信輝選手
いつもの読みだと、まわりが元気いいうちは苦しくて我慢のレースだけど、みんながタレてきたところを抜いていけるだろう、という感じだったんだけど、スタートしてみたらいつも序盤で抜きまくる片岡選手が逆に抜かれてて、まったくペースが上がらない。ドライバー交代したあとは、なんとか辛抱強く走ってたんだけど、突然パンクしてしまいました。ちょっと振動が出てたので怪しいとは思ってたんですが、片岡選手が周回数少なめでピットに入っていたので我慢して走ってたら案の定パンクしてしまい、残念なレースになってしまいました。3年連続富士でのレースはアクシデントが起きているので、なんとかしたいところです。
片岡龍也選手
人生であんなに抜かれたのは初めてかもしれません。原因はわからないんですけど、レースになったらストレートが全然伸びなくなってしまいました。そしてタイヤもセットアップが合わなかったのか、ポテンシャルを発揮できていませんでした。諸々原因はあるとは思いますが、ハッキリしているのはとにかくスピードが出なかった、ということですね。なので、タイムも伸びなければライバルのマシンにもついて行けない。なんとかポイントだけでもと思ったんですが、タイヤのパンクもあってそれすらも叶わなくなってしまいました。今回は全然流れがこっちにありませんでしたね。