2016年ロシアGP ジェンソン・バトン(マクラーレン・ホンダ) ホンダF1プロジェクト総責任者の長谷川祐介氏は、新規則に従い、ホンダは求められればマクラーレン以外のチームにもパワーユニットを供給するつもりであると語った。しかしマクラーレン・グループCEOのロン・デニスは、ホンダとの独占契約にこだわり、PUマニュファクチャラーがFIAから複数カスタマーとの契約を強いられる可能性がある新規則に強い不満を抱いているといわれている。
■「PU供給の保証」のための新規則が決定
昨年レッドブルがパワーユニットパートナーをなかなか見つけられなかったことを受けて、2017年のF1レギュレーションではパワーユニットマニュファクチャラーはチームに対して供給の保証を行うことを求められる。
4月29日に世界モータースポーツ評議会において、コスト、供給の保証、パフォーマンスの均衡化、サウンドについての規則案が承認された。これにより、2017年以降に関して定められた規則では、FIAがパワーユニットマニュファクチャラーに対してチームへの供給を求めることが可能になった。
新シーズンを前にパワーユニット契約を結べずにいるチームがいる場合、FIAは契約カスタマーチームが最も少ないパワーユニットマニュファクチャラーに対し、供給を強制することができる。
現在の参戦11チーム、パワーユニットマニュファクチャラー4社の状況下では、PUマニュファクチャラーはFIAに要求されれば少なくとも3チームに供給を行わなければならない。
■ホンダ「規則に従い、3チーム供給も受け入れる」
長谷川総責任者は、今のところホンダは他チームからアプローチを受けていないものの、求められた場合には応えるつもりであると語った。
「(マクラーレン以外のチームに)供給する計画はありません。ですがすでに2チーム目、あるいは3チーム目へ供給する可能性があるということに関してFIAに対して約束をしているので、それに備えています。(今のところ)具体的なプランはありませんが」と長谷川総責任者が語ったとCrash.netが伝えた。
■独占契約にこだわるデニスは「FIAを訴える」と発言?
一方、デニスはホンダとの独占契約に強いこだわりを持っており、新規則に関してFIAを訴えるとまで発言したと伝えられた。
f1today.netはドイツのAuto Motor und Sportの報道として、デニスが最近のストラテジーグループ会合でレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーに対して「君たちはホンダエンジンを獲得することはできない。むしろ私は新規則に関してFIAを訴えるかもしれない」と述べたと伝えている。
しかしpitpassによればマクラーレンにはFIAを訴えるつもりなど毛頭ないということで、チームのスポークスマンは先の報道を否定し、「(パワーユニットに関する)すべての議論において、我々はホンダを支持し、ホンダは我々を支持している」と発言したという。
以前バーニー・エクレストンは、ホンダのF1参戦が決定した際、FIAおよびFOMとの間で、ホンダは要望があれば2年目には2チーム、3年目には3チームに供給するという取り決めをしたと述べていた。