2016年5月3日
トヨタ自動車(株)
モータースポーツマーケティング部
“ビッグ・ワン”多発の乱戦でカイル・ブッシュが2位
NASCARシリーズ最長オーバルのタラデガで行われたスプリント・カップ・シリーズ第10戦は、“ビッグ・ワン”と呼ばれる多重クラッシュが多発する乱戦となったが、カイル・ブッシュが2位でフィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズでは、ダニエル・サレスとマット・ティフトの若手2名がトップ10フィニッシュを果たした。
NASCAR SPRINT CUP SERIES
第10戦 GEICO 500
開催日:5月1日
5月1日(日)、米国南部アラバマ州タラデガのタラデガ・スーパースピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第10戦「GEICO 500」が開催された。
タラデガは1周2.66マイル(約4.3km)と、NASCARが開催されるオーバルでは最長のハイスピードコース。リストリクター・プレートと呼ばれる吸気量を制限するパーツを取り付け、最高出力を抑えるが、それでも最高速は320km/hに達し、車両が縦に連なることで空気抵抗を低減する、ドラフティングというテクニックが重要となる。
多くの台数が密集してのハイスピード走行のため、クラッシュが発生すると「ビッグ・ワン」と呼ばれる多重クラッシュになりやすく、これを避けて着実に最後まで走り抜くことが求められる。
タラデガでのシリーズ戦は年に2回行われ、トヨタは過去に3勝。2014年の春大会でデニー・ハムリンが勝利を挙げている。
トヨタは現在シリーズ4連勝中。カール・エドワーズが直近の2勝を挙げており、速さを見せているトヨタ勢の連勝記録が続くかにも注目が集まった。
5月1日(日)正午過ぎにスーパースピードウェイと呼ばれる超高速ロングオーバルを188周(500.08マイル:約800km)して競われる決勝レースがスタート。4番手スタートのマット・ケンゼスが14周目に首位に立つと、ハムリン、マーティン・トゥルーエクス・Jr.、カイル・ブッシュと“トヨタ カムリ”勢が連なって、前半戦上位争いを展開した。
トヨタ勢の隊列とは1台離れて走っていたエドワーズは96周目、中団のスピンから発生した“ビッグ・ワン”で、前走車に追突。大きなダメージではなく、修復の後コースに復帰したが、110周目に、突然タイヤバーストに見舞われ壁にクラッシュ。これを避けきれなかった後続に激しくヒットされ、レースを終えることとなってしまった。
レース終盤に入った160周目には、中央列先頭の車両のスピンにより、後続が次々に追突。21台が絡む“ビッグ・ワン”となった。ケンゼスはクラッシュ発生場所より前を走っており巻き込まれず、間一髪の場所に居たカイル・ブッシュも僅かなダメージで済んだ。しかし、この日2度にわたってピットロードで他車と接触、後方を走っていたハムリンはクラッシュに巻き込まれて車体に大きなダメージを負い、長い修復作業を余儀なくされてしまった。
4ワイドでの激しい再スタート後のバトルの末に、ケンゼスとカイル・ブッシュはイン側の隊列2,3番手で終盤戦でのチャンスを待ったが、残り8周というところで中央隊列の車両がバランスを崩し、イン側のケンゼスに接触。ストレートでの全開加速中に横から押される形でスピンを喫したケンゼスの車両は舞い上がり、イン側の壁にクラッシュ。ケンゼスは無事だったが、首位を争っていたレースをここで終えることとなった。
この“ビッグ・ワン”も12台が絡む大荒れの展開に。レースは残り2周、カイル・ブッシュが2位での再スタートとなった。
首位の車両が抜けだし、その後ろでカイル・ブッシュらが2位を争ってのファイナルラップ、最終コーナーを立ち上がったところで後続でまたも“ビッグ・ワン”発生。順位はイエローフラッグが振られた時点で凍結され、大荒れのレースを無事に走り切ったカイル・ブッシュが2位フィニッシュを果たした。
次戦第11戦は5月7日(土)、米国中西部カンザス州カンザスシティのカンザス・スピードウェイで行われる。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
ドライバー カイル・ブッシュ:
「知っての通り、これがタラデガだ。何が起こったのかはよく分からないが、ワイルドなファイナルラップだった。そこら中でぶつかり合いながら、何とか抜けられる空間を探して走るレースだ。クラッシュに巻き込まれずにフィニッシュ出来たのは幸運だ。2位という結果は悪くない」