2016 FIA-F4選手権 第3戦・第4戦 富士スピードウェイ(2016年5月3日・4日)
2016 FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP
ROUND 3 & 4 Fuji International Speedway
3-4 May 2016
失望と落胆の連鎖
2016年FIA-F4選手権の第3戦・第4戦が富士スピードウェイで開催された。女子ドライバー2台体制で参戦するmiNami aoYama Projectは、前戦岡山で上位争いの手応えを掴んでいたものの、直前になって小山美姫の胸椎圧迫骨折による負傷欠場が決定。代わって池島実紅が33号車を駆って出場したが、32号車の今橋彩佳ともに上位争いができず不本意な結果に終わった。
【予選】赤旗と習熟不足で不完全燃焼
土曜日の午前8時15分に始まった予選は、開始後わずか5分で赤旗が提示され、実質的に残り18分間のアタックとなった。
彩佳は周回を重ねながらリズムを掴み、残り5分というところで新品タイヤのグリップを生かして全力でタイムアタックをしようとした矢先、2度目の赤旗が提示されて予選はそのまま終了。前日の練習走行で記録していた自己ベストより1秒も遅いタイムしか記録できず、不完全燃焼のまま終わってしまった。
代役出場の実紅は練習走行でマシントラブルに見舞われて充分に走り込むことができず、セットアップもドライビングも煮詰めきれないままの実戦。こちらも実力を充分に発揮することができないままの予選となってしまった。
【第3戦決勝】彩佳接触でリタイア、実紅は久々の実戦でオーバーステアに苦戦
土曜午後の第3戦は、スタート直後の1コーナーからクラッシュが発生するなど荒れた展開に。miNami aoYama Projectの2台は30・31番グリッドから好発進を決めたものの、1コーナーの混乱を避けるために再び順位を落とし、実紅が27位、彩佳が30位でコントロールラインに戻ってきた。
そこから周囲のライバルたちと激しいバトルを繰り広げていったが、3周目に彩佳が後続車に接触されて左リアタイヤがバーストし、ピットイン。タイヤ交換をして出て行ったが2周遅れとなってしまい、1輪だけを交換したこともあってペースが上げられず、最後はマシンへの違和感からリタイアを選択した。
実紅はダウンフォースを削ったことが裏目に出て、リアタイヤのオーバーヒートによるオーバーステア傾向がどんどん強まるマシンに苦戦。コース上に留まることが精一杯のマシン状況ながら懸命にバトルを続け、上位陣の脱落もあって24位完走を果たした。
【第4戦決勝】実紅20位完走、彩佳2戦連続リタイア
日曜午前の第4戦でも好スタートを決めた彩佳が1周目に25位、実紅は28位まで浮上。昨年miNami aoYama ProjectからFIA-F4に出場した加藤潤平や牛井渕琴夏とのバトルを展開しながら順位を上げていったが、彩佳は3周目のヘアピンで琴夏と接触して左リアサスペンションを壊し、リタイアを余儀なくされてしまった。
実紅はスタート直前のグリッドでもリアウイング調整などを行なったが、それでもオーバーステアは解消できず、第3戦にも及ばない1分49秒台のレースペースで走行してレース後半は一人旅に。あまりのオーバーステアにスピンを喫する場面もあったが、25位で15周のレースを走り切り、上位陣のペナルティによって正式結果は20位となった。
池島実紅(#33 delico 373NY 16M)
Rd.3:予選30位/グリッド30番/決勝24位(FL 1:47.943 L4/L15)
Rd.4:予選29位/グリッド29番/決勝20位(FL 1:49.085 L9/L15)
「これまでに乗ってきたチームとはセッティングの方法論が異なっていて、マシンの仕上げも自分のドライビングも合わせ込めないまま4日間が終わってしまいました。周回が進むに連れてオーバーステアがどんどん進行していって、レース後半はスピンしないよう走るのが精一杯の状況でした」
「しかし今回miNami aoYama Projectで参戦させて頂いたことで非常に良い経験ができ、多くを学ぶことができました。自分自身としても一歩成長できたと感じていますし、次のチャンスに向けて頑張りたいと思います」
今橋彩佳(#32 yarn 373NY 16A)
Rd.3:予選31位/グリッド31番/決勝DNF(FL 1:50.442 L2/L10)
Rd.4:予選30位/グリッド30番/決勝DNF(FL 1:53.172 L2/3)
「2戦ともにリタイアという本当に情けないレースをしてしまい、言葉もありません。練習走行の内容からすれば、本来であれば予選で20番手前後につけて、もう少し上位で質の高いレースとバトルができたはずです。応援してくださる方々にも、スポンサー様やチームのみんなにも申し訳ない気持ちでいっぱいです」
「予選で力を発揮しきれなかったことも、2レースとも他車との接触でリタイアしてしまったことも、自分の冷静さが足りなかったことに要因があると思います。次のレースではその点をきちんと改めて戦いたいと思っています」