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波乱の富士戦GT500、不運とアクシデント、その時何が起きたのか

2016年05月05日 08:51  AUTOSPORT web

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石浦宏明(ZENT CERUMO RC F)
S Road CRAFTSPORTS GT-Rの本山哲と、ZENT CERUMO RC Fの立川祐路の抜きつ抜かれつの2番手争いがあったものの、カルソニック IMPUL GT-Rが20秒以上独走し、予選上位5台がそのまま決勝でもトップ5を占めるという展開で進んだGT500の前半戦。しかし、73周目のセーフティカー導入を境に波乱の展開へ。ここでは各車、どのような波乱、アクシデントにあったのかをまとめた。

■RAYBRIG NSX CONCEPT-GT:ギヤトラブル、タイヤトラブルとアクシデント続き
 72周目の100R出口で左リヤタイヤがバースト。車体後部のエアロパーツがが吹き飛ぶ形でコース上にパーツが散乱し、マシンもヘアピン進入アウト側に止まり、セーフティカー導入に。ステアリングを握っていた伊沢拓也は「予兆はまったくなかった。突然起きて、どうしようもなかった。体は大丈夫です」と、状況を振り返った。RAYBRIGは前日の予選日にもギヤトラブルでギヤを交換しており、ファーストスティントの山本尚貴も100Rで左リヤタイヤのトラブルに見舞われるなど、不運が絶えない第2戦となった。

■S Road CRAFTSPORTS GT-R:セーフティカー導入で2位以上の結果が台無しに
 ルーティーンの2度目のピットインに備えて、本山哲がピットロードで待機し、2番手を走行中のマシンがストレートからピットロードに向かったところでセーフティカーが入り、ピットがクローズド。S Roadはその周のピットインを諦めて隊列に戻るも、ガソリンが足りずに76周目にペナルティ覚悟でピットイン。11番手まで順位を下げ、さらに90秒のピットストップペナルティ。最後は7位まで挽回したが、表彰台は確実な展開だっただけに本山の表情も険しかった。「GTAを批判するわけじゃないけど、今年のセーフティカーの規定ではチーム側が戦略を選べないし、WECの例などを参考にして、もうちょっとレースの流れと興業の面を両立させて、うまくやってほしい」。

■ZENT CERUMO RC F:2位走行中にまさかのガス欠リタイア
 1回目のピットがWedsSport ADVAN RC Fに続いて早かったZENT CERUMO RC F。Wedsは70周目にピットインし、次はZENTか、と予想されたところ、73周目にセーフティカーがコースイン。ZENTはそのまま周回を重ね、セーフティカーが明けた2周目にガス欠でコースサイドにマシンを止めた。結果論から言えば、セーフティカー明けにすぐにピットインしていれば、2位以上でチェッカーを受けていた可能性が高い。ガス欠の原因はエマージェンシーの燃費の警告灯が作動しなかったことや、燃費の計算ミス、そして隣のピットの給油タイミングが重なり1周遅らせても大丈夫と判断したことなど、複合的な要素が絡んでのアクシデントだったようだ。ビッグポイントを逃したチーム、ドライバーの落胆は大きく、多くのドライバーがすでに家路に着く中、ZENTのドライバーふたりは遅くまでサーキットに残っている姿が見られた。

■カルソニック IMPUL GT-R:残り3周、トップを走行中に100Rでタイヤトラブルによりリタイア
 前半戦で2番手に20秒以上の差を付けてトップを独走中に、セーフティカーが入りギャップは帳消しに。しかも、最後のピットストップでMOTUL AUTECH GT-Rにトップを奪われるも、96周目にJ-P.デ・オリベイラが1コーナーでMOTULのロニー・クインタレッリのインに入り、クインタレッリがクロスラインでさらにインに入って併走で2コーナーを立ち上がったところ、最後にデ・オリベイラがコカコーラ・コーナーのインに入り、トップを奪い返した。そこで勝負あり、と思えたが残り3周となった107周目の100Rでカルソニックの左リヤタイヤがバースト。カルソニックのマシンはコースサイドに止まり、オリベイラはコースサイドで立ち止まったまま、呆然と足下を見つめ続けた。MOTULがチェッカーを受けたあとも100Rのコース脇で仰向けで頭を抱え続けた。ブリヂストンの開発を勤める松本真幸エンジニアは「インパルさんのタイヤに故障が起きてしまったことは間違いありません。原因はまだわかっておらず、これから調べないといけない状況です。(RAYBRIGも)一緒です。タイヤとしては違うのですが、原因が同じかどうかはこれから調べないと分からないですね。チームさんには申し訳ないです」とレース後にコメントを残した

■ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT & KEIHIN NSX CONCEPT-GT:ホンダ陣営で同士討ちリタイア
 95周目の最終コーナーで7位ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GTの武藤英紀のインに、8位走行中のKEIHIN NSX CONCEPT-GTの塚越広大が入り、両者は接触。レーシングアクシデントと判定されたが、2台とも入賞圏内だったこともあり、ホンダ陣営としては痛い同士討ちリタイアとなってしまった。

■カルソニック IMPUL GT-R:星野一義監督、ニスモのサインガードへ
 MOTUL AUTECH GT-Rとカルソニック IMPUL GT-Rがトップ争いをしている96周目にJ-P.デ・オリベイラが1コーナー~コカコーラ・コーナーの流れでロニー・クインタレッリをオーバーテイク。その最中、星野監督が険しい表情でニスモのサインガードへ向かう姿をJ SPORTのカメラマンが追うが、星野監督に制される場面があった。この件の詳細は……不明。