パワー不足も、冷静な走りで6位完走
早朝に降った雨は止んだものの、風が強いまま午前のフリー走行が行われた。路面は既に乾いていたので、決勝に向けたセットの確認を行った。路面温度が低かったせいか、タイヤカスを多く拾ってしまい、セットの確認は不十分だったが、午後のコンディションに合うと思われるセットで走行した。
決勝のスタートドライバーは野尻智紀。野尻はクリーンにスタートを切り、順位を落とさずに周回を重ねた。しかし、6周目のBコーナーで後方から追突されてしまい、順位をひとつ落としてしまう。追突されたダメージは無く、周回を重ねたが、温度上昇の影響なのかエンジンのパワーダウンを野尻は無線で訴えてきた。
徐々に順位を落とし始めてしまうが、車を労りながらペースを保った。前車のスピンやピットインもあり、35周目には8番手までポジションをあげ、36周目にルーティンのピットインを行った。
セカンドスティントを走る松浦は11番手でコースに復帰し、トラフィックの中、安定した速いペースで前を追ったが、前後の間隔は変わらず11番手で走行を続けた。
72周目に差し掛かったところで他車が100Rでタイヤをバーストしてしまいセーフティーカーが入ってしまう。2回目のピットインのタイミングだったが、今年からセーフティーカー導入時はピットイン出来ないルールに変わったので、セーフティーカーがアウトするまで燃料をセーブしながらの走行となった。
ここで何台かの車がガス欠でリタイヤしてしまったり、ピットインでペナルティを受けてしまうが、8号車は見事に苦しい状況を乗り切った。
セーフティーカーが77周目にピットロードに入ったので、次の周はピットが混雑する事が予想された。松浦はタイミングを1周遅らせ、78周目にルーティンのピットインを行った。
野尻は9番手でコースに復帰した。残りは30周余り。ポイント圏内なので、何とかポイントを獲得すべく野尻は車を労りながら攻めていった。
終盤、前車の脱落もあり、94周目に7番手、残り4周のところでまた1台リタイヤがあったので、野尻は順位を6番手にあげて、そのままチェッカーを受ける事に成功。荒れたレースの中で2人の冷静な走りと、ピットの的確な判断で久しぶりのポイントゲットとなった。
鈴木亜久里監督のコメント
「車にはまだまだ改善しなければならない問題が山積みだけど、そんな状況の中、ドライバーとチームは良く頑張ってくれたね。評価出来るレースだったと思う。粘り強いレースをして、次も良い結果を出したいね。300クラスは2位だったけど、燃費が悪かったので給油の時間が長くなってしまったね。勝てるチャンスがあっただけに悔しいけど、こちらも良いレースだった」
星学文エンジニアのコメント
「開幕戦はトラブルが出てポイントが獲れなかったので、今回は何とかポイントを獲得して次につなげたいという気持ちがありました。予選からペース的にも難しいところがありました。しかし、ドライバーもメカニックも頑張ってくれて、それでつなげてもらえて出た結果だったと思います。しかし、速さはまだまだ足りないと思っていますので、次のレースに向けて改善したいと思います」
松浦孝亮選手のコメント
「今回の6位になりましたが、戦闘力的にみるとまだまだポテンシャルは低いので徐々に力を付けていきたいと思います。昨年の開幕戦以来、大きなポイントを獲得出来ていないので、今回の6位でポイントゲットは良かったと思っています。しかし、まだまだ速さが足りていないので、次回に向けて改善していきたいと思います」
野尻智紀選手のコメント
「最初のスティントでパワー不足を感じていましたが、その状況でもなんとか争っている集団に離されないように走行しました。これがその後のチャンスにつながったと思っています。車としてはパワー不足ではありますが、バランスは悪くなかったと思います。次のレースまでに今回のレースを振り返り、より一層レベルアップしていきたいです」