2017年のF1レギュレーションでは、FIAは供給するチーム数が最も少ないマニュファクチャラーに対して、パワーユニットを必要とするチームへの供給を強制できるようになるという。
金曜日(4月29日)、世界モータースポーツ評議会でパワーユニットのコスト、供給、パフォーマンスの集約化、エンジン音の4点に関する提案が合意を得た。この変更は2017~2018年の競技規則に盛り込まれており、この項目が、どう機能していくかの詳細が記載されている。
2017年は11チームがF1に残留すると考えられている。このチーム数に基づいて、必要があればFIAはマニュファクチャラーに対し、最低3チームへの供給を求めることができる。チームがパワーユニットを持たない場合はFIAが介入し、供給チーム数が最も少ないマニュファクチャラーに、強制的に供給させることができる。カスタマーチームが条件を飲めば、マニュファクチャラーの供給は義務となる。ただし新規参入のマニュファクチャラーに関しては、参戦初期は、これに従う必要はない。
昨シーズンは復帰初年度だったホンダを除くと、最も供給チーム数が少ないマニュファクチャラーはルノーとなっていた。このため、この規則が昨年導入されていれば、二者間の関係がどうあれ、ルノーはレッドブルへの供給を強いられていたことになる(実際、今季レッドブルはルノー製パワーユニットを使用)。
パワーユニットに関しては、ホモロゲーション規則にも変更があった。これはカスタマーに供給するマニュファクチャラー同士と、ワークスチームが使用するパワーユニット、またワークスチームから供給を受けるカスタマーチームのパワーユニットの間で、パフォーマンスの集約化をはかるためのものである。
競技規則には「これらのパワーユニットと他のホモロゲーションを受けたパワーユニットが、公正かつ公平に競争できることを、FIAは絶対的な権限のもとに了解しなければならない」とある。
マニュファクチャラーは「ホモロゲーションに関する書式」を、参戦前年の2月28日までに提出しなければならない。この書式は、チームへ向けたものとマニュファクチャラーから提出されるものが、いかなるときも同一でなければならない。
2018年以降は、ペナルティを課されずに変更できるエンジンパーツの数が減らされる。各ドライバーは1シーズンあたり、3つ以上の内燃機関を使用することは許されない。またMGU-Hは3、ターボチャージャーは2、エナジーストア(バッテリー)は2、コントロール・エレクトロニクスは2セット、MGU-Kが2と、ひとりのドライバーが使用できるパーツ数が決まっている。
新たなマニュファクチャラーがF1に参入する場合は、FIAから承認を受けると上記のパーツについては、どのドライバーでも使用できる数を「1」増やすことができる。2017年のエンジンに関する状況が整理されたことについて、F1最高権威者のバーニー・エクレストンは「様子を見ていくべきだ」と話している。
「我々が本当に求めているのは、すべてのエンジンが平等であることだ。そうなれば供給元もカスタマーも、同じパワーユニットを使うことができる」
エクレストンは、パフォーマンスの平等化が実現できない場合には、このレギュレーションは破棄されるだろうと付け加えた。
「より容易なエンジンにするべく、この案は破棄して新たなレギュレーションを考えることになるだろう。自然吸気エンジンの時代は、程度の差はあれどパフォーマンスは拮抗していた」