スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は4日、第2戦富士の定例記者会見の場で、熊本県を中心とした地震の影響で延期がアナウンスされていた第3戦オートポリスについて、3日行われた取締役会の決議として中止が決定したと発表した。
阿蘇の山間にあるオートポリスは、4月14日に発生した熊本地震の前震ではさほど影響を受けなかったものの、4月16日の本震では強い揺れに見舞われ、コースや施設にダメージを受けた。すでに5月21~22日に予定されていたスーパーGT第3戦は延期が発表されているほか、5月16日以降も含めた施設クローズが発表されていた。
この熊本県を中心とした地震に対し坂東代表は、オートポリスの被災状況について、すでに発表されているとおりクリスタルルームのガラスが落ちていたり、ピットビル内の壁面にヒビ、脱落があること、またコース上のヒビや段差等が起きていることを報告。また、地震翌日からオートポリス側と密接に連絡を取りあい、熊本市内やサーキットへのアクセス路についても情報交換を続けていたことを語った。
●第3戦オートポリスの代替は国内戦で2レース!?
そのうえで、すでに発表されていた第3戦の開催延期について坂東代表は、「今年の開催は難しい」として、3日開催されたGTアソシエイションの取締役会の決議として、正式に中止を決定したと発表した。また、代替開催については現在協議を進め、オールスター戦等の可能性も含め今月中に決定するとしつつ、「新たにどこかのサーキットで開催することはない」と語った。
今後、第3戦オートポリスの代替については、シリーズ戦として予定されている国内戦のいずれかのレースの週末で、2レースが開催されることになりそうだ。これについて坂東代表は、「1000kmで開催される鈴鹿、SUGOでの2レースは現実的には難しい。8月の富士、もしくは最終戦のもてぎで2レースが有力」としている。
スーパーGTとしては、今回のラウンドで熊本地震の被災者に向けたメッセージとしてくまモンステッカーを貼ったり、御殿場市からの支援物資の輸送に協力したりといった活動を行っているが、坂東代表はこれらの活動も、「今後も行政と連携してやっていきたい。また、今回のレースでも義援金の募金箱を作ったり、受け付ける口座を作ったり、スーパーGTだけでなく、モータースポーツ界として気持ちをひとつにしてやっていきたい」と継続した支援を行いたいと語った。