ロシアGPではセバスチャン・ベッテルが、またもスタート直後のクラッシュで“被害”を受け、話題を集めたフェラーリ。チーム代表であるマウリツィオ・アリバベーネは、この結果が2016年F1シーズンにおいて最低の成績でなければならないと考えている。
キミ・ライコネンはメルセデスのふたりのドライバーに大差をつけられての3位。前述のとおりベッテルは不運な事故に巻き込まれ、リタイアを喫した。予選でのタイムはライコネンがトップから0.7秒、ベッテルが1.2秒遅れとなっていた。
フェラーリに発生したトラブルについてアリバベーネは弁解を避け、これ以降はミスを防いでいきたいと語っている。今後はチームがより得意とするバルセロナやモナコのようなコースになること、またソチで投入した内燃機関のアップグレードが効果を発揮することで、事態は改善するという。メルセデスとの差に驚かされたかとの質問に対し、アリバベーネは以下のように答えている。
「このコースでは予想できていたことではあるが、こんなことはもう二度と起きてほしくない。まず、我々がミスを犯すようなことがあってはならない。それから、今後はより良いパフォーマンスができるようになると確信している。これから走るコースの要素や、消費したトークンの数が根拠だ。これらがロシアのコースより、スペインで我々の助けになってくれるだろうことを、うれしく思っている」
フェラーリの抱える問題が、シーズンを困難なものにしていることを認めはしたが、アリバベーネはチームが掲げる「チャンピオンをかけて戦う」との目標をあきらめてはいない。157ポイントを獲得してコンストラクターズ・ランキングでトップにつけているメルセデスに対し、フェラーリは76ポイント。ライコネンはトップのニコ・ロズベルグから57ポイント差で3位となっている。今シーズンは劣勢のフェラーリの現状について、アリバベーネはこう語る。
「今シーズンのF1において、我々は楽に勝利を手にできるようなチームではなく、大きな挑戦をするチャンスを探っているところだ。(これまでの週末に)起きてしまったことはレースの一部だ。セバスチャンのソフトウエアと、キミのターボに問題があった。けれども、これらのミスには人的ミスが常に隣り合わせになっているので、ただ不運だとは思っていない」
「こういったトラブルがシーズン中盤や終盤に出てくるよりは、いまの時期に出ていたほうがいい。だが同じことがもう二度と起こらないようにしなければならない。チャンピオンシップを考えると、チームにあきらめてほしくないし、チームもあきらめるつもりはない」