4月12日の火災で、計4棟6店舗がほぼ全焼してしまった新宿ゴールデン街。事件から3週間経ち、街は以前の活気を取り戻しつつあるが、やはり全焼となってしまった店舗は営業再開の目処が立たない。
そうした中、被災店舗を支援する動きがスタートしている。発起人は火元となった建物の1階に入っていた老舗バー「流民」の常連客の竹中直己さん(35)。クラウドファンディングサイト「GREENFUNDING」で、「やけどを負ったゴールデン街に愛の手を」という支援プロジェクトを4月21日に立ち上げ、5月2日までに約70万円の見舞金が集まった。
「お店が力強く復活する日を待っています」「大切な場所です」
「流民」は4月12日の火災で全焼。翌13日には火災当日に同じ建物の2階へ無断で立ち入ったとしてホームレスの男性が逮捕され、放火の疑いも浮上した。しかし、プロジェクトページによると、原因が特定されるまで店は火災保険に頼ることができず、営業再開の目処は立っていない。
「流民」をはじめとした全焼・半焼店舗だけでなく、火災で一部修理が必要となった店舗の中にも営業再開できていない店がある。竹中さんは「飲食店街は日々の営みが、その人の生活を支えます」とし、被災店舗が一刻も早く営業再開できるよう、見舞金を募ることにした。
営業再開の目処が立たない店舗だけでなく、営業はしているものの火災で物理的損害を被った店舗も見舞金分配の対象になる。見舞金の使途は本来受け取った店舗の任意ではあるが「万一にも皆様からのご好意を飲み果たしたりしないよう、火災被害店舗の営業再開に必要な用途に限定し収支を可能な限り明解にし、ご報告します」と説明している。
24日には目標額だった50万円を達成。5月2日までに84人から計70万円の支援が寄せられた。コメント欄には支援者から「お店が力強く復活する日を待っています」「大切な場所です 応援してますよー!」といったメッセージが書き込まれている。
発起人「ゴールデン街を応援してくれる人たちの熱量に感動」
募金にあたっては、近年ゴールデン街に外国人観光客が多く訪れていることを受け、英語の説明文を追加し、Paypalで海外からの送金も受け付けるようにした。キャリコネニュースが竹中さんに聞いたところ、すでにフランスやスイスといった国の人からも見舞金が送られているという。
支援は12日まで受け付ける。竹中さんは、
「見舞金を直接手渡しする常連さんもいると聞いていたので、クラウドファンディングでどれくらい金額が集まるか不安だったのですが、プロジェクト立ち上げ3日間で目標金額を達成しました。ゴールデン街を応援してくれる人たちの熱量と、ゴールデン街との縁は薄くとも僕の想いに賛同してくれた方々のお気持ちに本当に感動しています。言葉にならないです」
と語っていた。
ちなみに、キャリコネニュースの記者も「流民」に10年ほど前から通う常連客。同店は俳優の野見隆明さんがスタッフとして働いていることでも知られ、20~30代の比較的若い客が多い。友人や仕事仲間と始発まで飲み明かしたこともいい思い出だ。「流民」をはじめとした被災店舗が一刻も早く営業再開できることを願うばかりである。
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