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「チームがルイスを妨害するわけがない」メルセデスが“陰謀説”を一蹴

2016年05月02日 12:31  AUTOSPORT web

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メルセデス・モータースポーツのトップであるトト・ウォルフは、チームがニコ・ロズベルグの肩を持ち、現F1タイトル保持者のルイス・ハミルトンを妨害していると批判する「陰謀論」は、馬鹿げていると一蹴した。

 ロズベルグは2016年シーズンをスムーズな形でスタートし、開幕以来4戦を全勝。ここのところ苦戦を強いられているハミルトンに対し、43ポイントものリードを築き上げた。ハミルトンは中国GPに引き続きロシアGPでも予選でMGU-Hのトラブルに見舞われ、ソチでの決勝レースでは水圧の問題が発生して2位に終わった。

 ソーシャルメディアで囁かれている「メルセデスはハミルトンを妨害し、ロズベルグに2016年タイトルのフリーパスを与えようとしている」といった疑念に、真っ向から向き合う必要があるとウォルフは言う。

「我々のチームの一員で、2度もチャンピオンを獲得しているドライバーを、我々自身が傷つけようとしているなどと語る馬鹿げた話は無視したい。ルイスは我々を落胆させていないし、我々も失望していない。これは機械による競技であり、こういうことは起こるものだ。競争力のあるマシンにするために、車体やエンジンの限界まで攻めている。だからこそ我々はレースに勝てている。だが、ギリギリまで攻めると限界を超えてしまうことがある。ベッドに寝転がって、胸の上にパソコンを広げて批判的なメッセージを送ってくる者たちの意見を、まじめに取りあってなどいられない」



 妨害行為を行っているとの噂に対し、メルセデスのチームスタッフが、どう反応しているかと聞かれると、ウォルフは以下のように述べた。

「この件について私が言及したのは、正当な理由もなく投げかけられる、この許しがたく不公平で批判的コメントからスタッフを守りたいと思っているからだ。筋が通っていて本当のことが書いてある場合は感謝するし、批判も真摯に受け止める。ミスがあったということは、最適な選択ができていなかったということだ。ここ数戦で我々はいくつかのミスを犯しており、エンジンのせいでルイスのレースが台無しになったというのも、そのひとつだ。それはわかっているし、他の誰よりも痛感している」

 ウォルフは、ロズベルグもメカニカルトラブルと無縁ではなかったことを強調し、レースが危機に陥る可能性があったことを明らかにした。

「ニコのマシンにはMGU-Kの問題があり、レース中それが頭痛の種となっていた。完走すら危ぶまれていたんだ」

 ハミルトンに発生した水圧の問題は、予選でのトラブル後にエンジン交換を急いだことが原因となった可能性があり、今後のレースでエンジンが使用不可になるほどのダメージにつながりかねなかった、とウォルフは認めている。

「水圧が突然下がり、それが続いた。しかも、それは致命的な不具合だった。まだ根本的な原因は突き止めていないが、アッセンブリーかシャシーのどこかだろう。あるところで安定したので、ルイスはレースを完走することができた」