マクラーレンのジェンソン・バトンとフェルナンド・アロンソは、レッドブルの「エアロスクリーン」は見た目にも悪くないと感じているようだ。特にバトンは、これによってむしろマシンのルックスが良くなるとまで語った。
ロシアGP最初のプラクティスで、レッドブルは独自のコックピット保護デバイスをダニエル・リカルドのマシンに装着してテストした。1周のインスタレーションラップを行ったリカルドは、視界に特に問題はなかったと報告している。
現ワールドチャンピオンのルイス・ハミルトンは、このエアロスクリーンにもフェラーリがプレシーズンテストで試したハロにも否定的な態度を示している。だが、彼の元チームメイトであるバトンは、金曜のプラクティスで実物を目にしたエアロスクリーンが気に入ったようだ。
「見た目はいいと思うよ。むしろ普通のF1カーよりカッコ良く見える」と、バトンは言う。
「レッドブルが試したあのデザインを採用したとして、2~3年後にいまのマシンを振り返ってみたら、逆にスクリーンがない時代のクルマのほうが奇妙に見えるんじゃないかな」
「昔、家族でよくブリストルへパワーボートのレースを見に行ったんだ。長年オープンコックピットだったパワーボートがクローズドコックピットになったときには、以前よりずっとクールに見えたよ」
「ただ、あのデバイスを導入する理由は、ルックスではなく安全性にあるのだから、安全性の観点から正しいものを選ぶ必要があることは言うまでもない」
アロンソも、美しいかどうかよりも安全性が重視されなければならないと強調するいっぽうで、バトンと同様に、ハロよりもレッドブルのコンセプトのほうがルックスは好きだと述べた。
「FIAの判断を信頼するしかない。彼らがすべてのデータを持っているのだから。どちらが良いかを決めるには、視界とか安全性とか、数多くのファクターが絡んでくる」
「僕は外から見ただけだが、美的な観点から言えば、レッドブルのソリューションのほうが少し良いかもしれない。何がベストかの判断はFIAに任せることになるが、できればもっと多くの選択肢が出てくるといいね」
「まだこのデバイスの開発は始まったばかりだ。来年から装着を義務付けるのであれば、まず現時点で最良と思われるソリューションを見つけることが重要だろう」
マクラーレンのコンビがエアロスクリーンを支持したのに対し、ウイリアムズのフェリペ・マッサとハースのロマン・グロージャンは、ハロのほうが好ましいと語っている。
自分で決められるとしたらどちらを選ぶかという質問に、マッサはこう答えた。「正直に言って、(エアロスクリーンは)あまり好きになれない。フェラーリが試したもの(ハロ)のほうがいいかもしれないね。ドライバーの安全性を高めることには賛成だけど、いろいろな観点から考えて、最適なシステムを選ぶことが重要だ」
グロージャンは、できるだけオープンコックピットに近い状態が保たれるシステムを望んでいるという。
「まだ(エアロスクリーンは)写真を見ただけで、直には見ていない。だけど、僕はハロのほうが好きだ。F1はヘルメットに風が当たるクルマであるべきだと思うし、そうでなければルーフのあるクローズドカーと同じになってしまう。僕としてはハロを推すよ」