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今しか飲めない新茶の味と香りを楽しもう

2016年04月30日 00:02  オズモール

オズモール

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「夏も近づく八十八夜~」で始まる茶摘みの歌、知ってる? 八十八夜は立春から数えて88日目の日を指し、今年は5月1日がその日にあたるそう。茶摘みは4月の中頃、鹿児島で始まりどんどん北上し、八十八夜の頃から街に新茶が出回り始めるのだとか。

「新茶ならではの爽やかな青々しい香りが楽しめるのは今の時季だけです。また新茶は柔らかい茶葉と鮮やかな新芽の色が特徴です。味や香りと一緒に色も楽しみましょう」と教えてくれたのは、日本茶インストラクターの資格を持つ柳本あかねさん。

新茶を楽しむためには、まず、スーパーなどに行き、「新茶」と書いてあるお茶の葉を買って。

「新茶をいれるときは香りが飛ばないよう、お湯はあまり冷ましすぎず、70~80度で入れるのがポイントです」(同)

そこで、柳本さんにおいしい新茶のいれ方を教えてもらった。

新茶のおいしいいれ方
材料(1人分)
お茶の葉 6g
お湯 60㏄

1 急須にカレースプーンすりきり1杯(6g)の茶葉を入れる
2 沸騰したお湯を湯呑みに入れ、そのお湯を別の湯呑みに移し、再度最初の湯呑みに戻し、お湯の温度を70度に下げる
3 急須に2のお湯を注ぎ、30秒置いたのち、ゆっくりそそぐ
4 最後の一滴までそそぎきる

急須にお湯を残さないようにそそぎ切るのは、二煎目もおいしくいただくため。二煎目を入れるときは、沸騰したお湯を一度湯呑みに入れたら、すぐに急須に移してOK。

「うまみ成分は低い温度で抽出されます。一煎目はうまみを出して味わい、二煎目はそのあとの苦みや渋みを味わうために、温度を高くします」(同)

普段はマグカップや大き目の湯呑みでたっぷり飲むという人も、新茶の時は小さめのものを用意したほうがいいそう。

「たくさんの量をおいしく入れるのはとてもむずかしいです。小ぶりの湯呑みに8分目くらいがいいでしょう。この時季だけの新茶なのでぜひ丁寧にいれていただきたいですね」(同)

また、新茶は封を開けたらなるべく1カ月くらいで使い切るのがベター。

「保存するときは袋の口を何度か折り返し、ダブルクリップなどでしっかり止めたらチャック式のビニール袋に入れて冷暗所に。湿気ないように、空気をしっかり抜くのがポイントです」(同)

新茶の季節は5月いっぱいまで。以降は同じお茶でも、青々しい香りも少なくなって、新茶とは呼ばれなくなるそう。今しか味わえない味と香りを思う存分楽しんで!


柳本あかね
日本茶カフェ「茜や」、お茶とお酒「茜夜」店主。日本茶インストラクター。きき酒師。グラフィックデザイナー。二級建築士。著書に『いちばんおいしい日本茶のいれかた』(朝日新聞出版社)、『神楽坂「茜や」の小さな暮らし』(河出書房新社)、『「茜夜」のシンプルに暮らす、小さなキッチン』(河出書房新社)がある。最新著書に『「茜や」の小さく楽しむ おうち歳時記』(河出書房新社)。