オーストラリアGPの大クラッシュのあと、ドクターストップによってバーレーンGPを欠場したフェルナンド・アロンソ。その2週間後の上海でFIAから出場許可を得て、中国GPが復帰初戦となった。上海では、体調について「何も問題はない」と語っており、ラップタイムもチームメイトのジェンソン・バトンと比べて遜色はなかったが、やはり100%の状態ではなかったようだ。
「中国GPのあと4~5日間は、ちょっとおかしな感じだった。でも、いまはだいぶ良くなった」とアロンソは明かす。
そんなアロンソが中国GP後、リハビリを兼ねて過ごした場所が日本だった。
「前々から中国GPのあとに、日本へ行く予定を立てていた」というアロンソは、上海から東京に到着して、まず上野にある東京国立博物館へ向かった。もちろん「武士道」について理解を深めるためである。東京国立博物館で甲冑を鑑賞したアロンソは「サムライに関する展示品が充実していて、とても感銘した」と言う。
日本訪問の目的は、これだけではなかった。その後アロンソは東京を脱出、電車に1時間ほど揺られて古都・鎌倉へと向かった。最初に訪れたのは、報国寺。鎌倉駅にほど近い建武元年(1334年)に建てられた報国寺は、足利氏や上杉氏の菩提寺で、川端康成が寺領内に居を構えたことでも有名だ。アロンソが、ここを選んだ理由は、寺領内にある見事な竹林。その素晴らしき絶景は『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』でも「わざわざ旅行する価値がある」という最高ランクの3つ星を獲得している。
続いてアロンソが向かったのは、鎌倉の西方極楽浄土と謳われる長谷寺。報国寺が「竹の寺」として有名なら、長谷寺は一年を通して花を楽しむことができる「花の寺」として人気を誇る。また本尊には、高さ9.18mを誇る日本最大級の木彫仏の十一面観音菩薩(長谷観音)もあり、傾斜地を利用した「眺望散策路」から望む鎌倉の海と街並みは、鎌倉でも有数の景勝地として多くの観光客が集う場所でもある。
そして、最後に訪れたのが、長谷寺の目と鼻の先にある高徳院。鎌倉大仏がある寺だ。数ある鎌倉の仏像の中で、この大仏だけが「国宝」の指定を受けている。
「寺だけでなく、参拝している日本人の姿にも感銘を受けた。それとタクシーの運転手も優しかった。とても充実した一日だった」と語るアロンソだったが、実は鎌倉探索で、とても残念なことがあったという。持参していたスマートフォンで撮影したはずの写真が、まったく撮れていなかったのだ。
「だから、鎌倉の写真はインスタグラムにアップできなかった。でも、来年また行くよ。1日じゃ、まわりきれなかったからね」
3つの寺を選んだ理由を聞くと「インターネットで、いろいろと調べて決めた」と答えたので、筆者が「鎌倉のすぐ近くに住んでいるから、言ってくれれば教えたのに」と伝えたら、アロンソは「世の中、狭いな」と大笑い。
鎌倉の次は、中山道も旅したいと語っていたアロンソ。日本への興味は尽きないようで、もしかしたら今度は、あなたの街を訪れているかもしれない。
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Fernando Alonsoさん(@fernandoalo_oficial)が投稿した写真 - 2016 4月 21 9:33午後 PDT