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塚本奈々美のモタスポ界隈「トップドライバー脇阪寿一に感じたレースへの純粋な思い」

2016年04月29日 20:11  AUTOSPORT web

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塚本奈々美&脇阪寿一(86/BRZレース開幕戦)
レーシングドライバーの塚本奈々美です。この度オートスポーツwebで連載を持たせて頂くこと、ホントに感激しています! この連載ではレースを中心に私のいろいろな活動の中で感じたことを素直に綴っていけたらと思っています。

 私は2007年にモデルやタレント仲間の女の子たちと女子カート部(JKB)を結成し、いろいろなメディアを通じて、そして女性目線でモータースポーツの普及活動をして来ました。その間にテレビ番組の企画などで4輪レースに出場することはあっても、2013年のGAZOO 86/BRZレースにシリーズ参戦するまでは、4輪レースへの本格的な参戦は有りませんでした。つまり、レース経験は今年で実質4年目で、これを読んでくださっている皆さんとさほど変わらないのではないでしょうか。

 そんな私がGAZOO 86/BRZレース(13年~)、ポルシェカレラカップ(15年)、そしてD1ストリートリーガル(15年~)への参戦の中で、いろいろな壁にぶち当たり、都度周りの皆さんに助けられて少しづつ成長して来た経験をこのコラムでお伝え出来たらと思います。

 さて、そのGAZOO 86/BRZレースですが、とにかく奥が深いとつくづく感じています。2013年~15年まではプライベーターとして参戦し、トップドライバーとのレース経験は私を大きく成長させてくれましたが、チーム体制的には必ずしも満足のゆく結果を残すことが出来ないことにすごく悩んでいました。そうした中、今季は「ネッツ東京レーシングチーム」の一員として、なんと“Mr.スーパーGT”脇阪寿一選手とともに参戦させて頂くという、願ってもない体制を得ることができました。4月2~3日に開幕戦(もてぎ)を迎え、クラブマンクラス予選は53台中10位、決勝は直前の雨に合わせたセッティング変更に手間取り、ペナルティを受けて最後尾(45番手)ピットスタートとなりましたが、18台をオーバーテイクして27位という結果になり、今年はやれるという手ごたえを強く感じました。私の次戦は5月14・15日の第3戦(SUGO)になります。

 そして、なんと言っても、脇阪選手と同じチームで、その背中を間近で見ながらの参戦は、昂揚感もハンパないです。脇阪選手のテスト走行でのインプレッションの内容やレースの組み立て方、メカニックとの接し方などなどなど、何をとっても私にとって貴重な勉強材料となっています。また、86レースだけみれば先輩になる私にも走り方を聞いたり、確認したりと、分け隔てなく純粋に良い走りをしたいと一心に願う姿勢にトッププロの姿を垣間見ることが出来ました。なかなか一筋縄ではいかないこのクルマにはご苦労されていましたが、開幕戦が終わると「このレース楽しいな~!」と、必死になりすぎる私が忘れかけていたモノを思いださせてもくださいました。「今のうちなら皆さんも脇阪寿一に勝てるかも知れませんので、ぜひ参加してください」と、ユーモアを交えてクルマやレースの楽しさを発信する姿勢にも、ただただ感心させられました。今年一年、この素晴らしい体制下で脇阪選手から精精プロの姿を勉強させてもらうつもりです。

 もうひとつ、今季私がシリーズ参戦するのがドリフト競技のD1西日本・東日本シリ-ズとレディースリーグです。ドリフトでは、いずれD1GPへの出場を目指します。ドリフトは車体を横に滑らせて競うわけですが、このドリフトのテクニックが、速さやタイムを競うグリップ走行にも活かされます。逆に、グリップ走行のレース経験がドリフトで有利に働くこともあります。私はグリップ(86レースなど)とドリフト(D1SLなど)、両方にシリーズ参戦する唯一の女性プロドライバーとして、この連載を通じて皆さんにモータースポーツの面白さを感じて頂けるようにしたいと思っています。


●塚本奈々美プロフィール:
レーシングドライバー(JAF国際Bライセンス、D1-Aライセンス)。今季は、GR86/BRZ、D1西日本・東日本シリーズ&レディースリーグに参戦。MotorFan's YEAR2016 PR大使、映画「新劇場版頭文字D」プロモーションアンバサダー、山梨県やまなし大使、女子カート部(JKB)部長、そのほかモデル・タレントとしてTV・CM・イベントなどでも活躍。
http://nana-jkb.com/