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エアロスクリーンの「よごれ対策」はNASCAR方式などを検討中

2016年04月29日 19:21  AUTOSPORT web

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F1ロシアGPのフリー走行1回目、レッドブルのダニエル・リカルドのマシンに「エアロスクリーン」と呼ばれるコクピット保護デバイスが装着され、走行テストが行われた。

 レッドブルは木曜日にソチのピットレーンで、このコクピット保護デバイスを公開。最初のプラクティスでは、リカルドが実際にコースに出た。テストは当初の予定どおり、インストレーションラップの1周のみ。すぐにデバイスが取り外され、通常のプログラムが進められた。

 リカルドによると、レース中に汚れて視界が悪化する可能性が指摘されているエアロスクリーンについて、レッドブルは当面の解決方法を考えているという。

フェラーリが開幕前のテストで試した「ハロ」との比較において、レッドブルのエアロスクリーンは、他のクルマから漏れたオイルなどでスクリーンが汚れた場合、あるいは雨のレースで視界が確保できるかどうかが、大きな課題のひとつと考えられている。

「その点については僕もチームにたずねた」と、リカルド。

「とりあえず、すぐにでもできる対策はNASCARでも使われているようなティアオフ・シールドを貼って、ピットストップのときに剥がしてもらうことだ。ヘルメットのバイザーに塗る撥水剤みたいなコーティングをして、汚れがつきにくくするという手もある。そうすればオイルや液体類は、すぐに飛び散ってしまうはずだ。必要があれば明日にでもできる短期的な対策は、いくつかあるってことだよ」



リカルドは、エアロスクリーンそのものが視界を妨げるとは考えていないが、実際のレースで使うとなると、ガレージのなかでシートに座ったときとは周囲の見え方が違う可能性があると認めている。

「第一印象は問題なさそうだった。フレームをミラーの位置と合わせてあり、もともと(ミラーで)死角になる部分と重なるから、これまでより視界が狭くなることはないね。前方の視界は大きく開けている。スクリーン上部のフレームは、かなり高い位置にあって、まったく邪魔にはならない」

「全体としてはスッキリまとまっているし、いい仕事をしてくれたと思う。でも、レーシングスピードで走ったときにどうかとなると、それはもう実際にやってみるしかない。念入りにチェックしたい」

F1は完全なオープンコクピットであるべきとの意見に対して、リカルドは安全性がすべてに優先されると考えているようだ。

「(F1が)これまでと違うものにはなるね。いままではドライバーのヘルメットが見えていたし、ファンから見えるのはヘルメットだけだったけど、それもあまり見えなくなるかもしれない。まあ、とにかくやってみようじゃないか。安全性のためなら僕は賛成する。これで命が救われる可能性が20年に1度でもあるのなら、採用すべきだと思うよ」

「変化に対して、オープンな態度を取る必要がある。最終的には受け入れられると思う。僕たち全員が、これをつけたクルマで走れば、ファンはすぐに慣れるだろうし、必要性も理解されるはずだ」