ザウバーF1チームでトラックエンジニアのトップとして仕事にあたっていたティム・メイロンが、就任から3カ月で離脱することになった。
以前はレッドブルでエンジニア職に就いていたメイロンは、1月にジャンパオロ・ダラーラの後任としてザウバーに加入。しかし中国GPを最後に、今月末をもって正式にチームを離れることになったという。ザウバーの主要人物が離職するのは、開幕直前に離脱したテクニカル・ディレクターのマーク・スミスに続いて二度目。メイロンは、離脱の理由を個人的な事情によるものだとしている。今後はフェリペ・ナッセ(写真)の元レースエンジニアだったポール・ラッセルが、一時的にチーフ・レースエンジニアの役職に就くという。
ザウバーはこの2カ月間、資金繰りの問題からスタッフの給与を予定どおりに支払えない状態となっており、チーム代表のモニシャ・カルテンボーンがスポンサー探しに奔走している。3月分の給与に関してはマーカス・エリクソンが持つスウェーデン資本のスポンサーが介入し、スポンサーフィーの支払いを前倒しにすることで資金を確保した。それでも給与の支払いは期日から8~9日ほど遅れたという。
カルテンボーンはチームの財政難が、2016年のマシン開発に影響を及ぼしていることを認めた。ただし開幕以来ハンドリングに悩まされていたナッセに、ロシアGPで新たなシャシーを用意するだけの資金は確保されていると言う。ナッセ自身は、この問題はプレシーズンテストで使用したシャシー01では明らかになっていなかったとコメント。また同車体はメルボルン以降、チームメイトのマーカス・エリクソンが走らせている。
ナッセは今シーズン、開幕以来の3戦すべてで苦戦を強いられた。ザウバーは中国GPでナッセとエリクソンのマシンに同様のセッティングを採用したものの問題の解決には至っておらず、結果としてナッセにシャシー03が用意されることになった。
これにより、ザウバーはスペアとなるシャシーが不足した状態になっている。