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ブランパンGTで孤軍奮闘中。開幕2戦を終えた高星明誠に直撃

2016年04月28日 19:31  AUTOSPORT web

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ブランパンGTシリーズで戦う高星明誠
2016年から、ヨーロッパ最大規模のGT3カーレースであるブランパンGTシリーズに参戦している高星明誠。ニッサンGTアカデミー・チームRJNのGT-RニスモGT3を駆ってすでにスプリント開幕戦のミサノ、耐久開幕戦のモンツァを終えたが、日本のファンに向け、モンツァで近況を聞いた。

●まだ激しいバトルは感じていない
──ブランパンGTのスプリント、耐久と両シリーズへの参戦ということで、とても忙しいシーズンになりますが、日本から毎ラウンド通っているのですか?
高星明誠(以下高星):今シーズンは生活の拠点をイギリスに移して、メカニックと一緒にRJNのファクトリーの近くに住んでいます。じつは英語はまだあまり話せないのですが、レースが忙しくて、語学学校には少し落ち着いたら通う予定です。レースを重ねるごとにチームともっとコミュニケーションを取れるように頑張りたいと思っています。

──昨シーズン、同様にヨーロッパで戦ってブランパン耐久のチャンピオンに輝いた千代勝正選手からは、先輩としてレースへのアドバイスはもらいましたか?
高星:特にそれは必要ないと思っていますし、千代さんからもあえて何も聞いていません。ただ、イミグレーション(出入国審査)の通りかたなどを教えてもらいました(笑)。
──ブランパンは激しいバトルが有名ですが、両シリーズの開幕戦を終えて、ヨーロッパのGTレースをどう感じましたか?
高星:偶然なのか、僕のスティントのときにはラッキーだったのか、ドライブしている分には映像で見るような激しいバトルは特に感じませんでしたね。

──スーパーGTではかなりグリップが高いタイヤを使っていたと思いますが、同じGT3カーとはいえ、ピレリのワンメイク用のタイヤとは走りかたなども違うのでしょうか?
高星:日本では『タイヤ戦争』と言われるくらい各タイヤメーカーが必死でタイヤの研究、開発をしています。ブランパンのワンメイク用タイヤはまったく別物だと言えると思います。日本とはタイヤの使いかたも必然的に違いますが、ポールリカールのタイヤテストではあまり走れなかったので、シーズンを通して慣れていくしかないと思っています。

●ヨーロッパでの一日一日を大切に
──ブランパンではル・マンやDTMはもちろん、さまざまなレースで活躍するヨーロッパメーカーの錚々たるワークスドライバーの面々も参戦しますが、彼らを意識したりすることは?
高星:ずっと日本でレースをしていたので、幸か不幸か、ヨーロッパのワークスドライバーはあまり知りません(苦笑)。なので、意識はまったくしません。知っているのは、昨年までRJNにいたウォルフィ(ウォルフガング・ライプ。今年からベントレーに移籍)くらいですね(笑)。

──今季の目標をお聞かせください。
高星:昨年先輩たちがチャンピオンを獲得しましたが、それに続き自分の手でも獲得することがいちばんの目標です。でも、まずはじっくりと腰を落ち着けて、ヨーロッパでの生活やレース環境に慣れて、自分自身がそのシチュエーションをエンジョイできないとレースでも結果を残せないと思っています。なので、一日一日を大切に過ごしたいと思います。今年は大半のメーカーが新車になり、かなりの性能アップをしていますが、ニッサンGT-RニスモGT3は昨年と同じマシンです。性能調整(BoP)でも若干GT-Rが絞られているなかで、今回のブランパン耐久で4位入賞を果たすことができたので、マシンとチームのポテンシャルはかなり高いと確信しています。

──日本のファンへひとこと。
高星:ブランパン耐久の第2ラウンドはシルバーストン。GT-Rが得意とするサーキットでもあると思うので、勝てるチャンスは大いにあると思います。ぜひ日本からの応援をお願いします! まだイギリス生活も、ヨーロッパでのレース活動も右も左もよく分からないまま時が流れていて、日本のファンの皆さんにおススメできる国やサーキットのことがまったく分かりません(笑)。徐々にシーズン中に紹介できるといいな、と思います。

 なお、高星のヨーロッパでのレーシングライフは、ニスモのホームページでも楽しむことができる。日本からも熱いエールを送りたいところだ。
http://www.nismo.co.jp/motorsports/entertainment/GT3_REPORT2016/2.html