レッドブルはF1においてフェラーリのすぐ下のライバルであるとクリスチャン・ホーナーは考えており、エンジンのアップデートが完了した暁には「フェラーリに、ちょっとしたダメージを与えられる」と話している。
レッドブルは前戦の中国GPで驚きのスピードを見せ、ダニール・クビアト(写真)が3位でレースを終えた。ダニエル・リカルドも予選2位からスタートでトップを奪取し、タイヤトラブルに見舞われたにもかかわらず、4位まで順位を取り戻した。これを受けてライバルチームらは、チャンピオンチームであるメルセデスに対抗するのはレッドブルになるのではないかと考えるようになった。
クリスチャン・ホーナーは「メルセデスはミスを犯さないし、彼らは、まだ前方にいる。けれど我々はフェラーリの足首をつかんでいる。どんなことが進行中であるかはわかっていると思うし、それが追い風になってくれるはずだ」と語る。
中国GPでのレッドブルはセクター3でのストレートスピード不足を補うため、妥協したセッティングを選択していた。つまり彼らの力強いパフォーマンスは、ダウンフォース量が少ない状態で発揮されていたということになる。レッドブルが搭載するタグ・ホイヤーのバッヂをつけたルノー製パワーユニットは、6月のカナダGPまでにアップデートされる予定だ。
「(カナダで)我々の前にいるライバルに、ダメージを与えられるようになるといい。マシンに最適なセッティングができるようになっていれば、ライバルよりも我々が得意とするレースが走れるだろう。上海のようなコースでは、フェラーリはもちろんウイリアムズと比較しても競争力を発揮できるとは期待していなかった。けれども状況は好転した。予選でフロントロウを獲得してコンペティティブなレースを走り、表彰台に乗ることもできた」とホーナーは言う。
2014年は初勝利を含む3度の優勝を経験したものの、2015年に苦戦を強いられたリカルドは、今シーズンのRB12はアタックできるマシンになったと評価している。
「今シーズンの僕らのマシンは昨年のものより良くなっているようだ。走行中もだけど、ブレーキングも改善した。2014年は走行中もブレーキング中も、どちらも良かった。2015年の少なくとも前半は、2014年ほどの良さはないと感じていた。今シーズンは、またアタックが可能なマシンになっている。ライン上を走れるようになったんだ」
では、今シーズンのマシンに優勝できるだけの力があるかと聞かれると、リカルドは以下のように答えた。
「2015年よりは良い状態にあると言える。2014年の僕らは、たいていの場合2位だったけれど、いまはメルセデスとの間にフェラーリがいる。でも、昨年よりは近い位置につけている。まだ有利になるほど大幅に距離を縮められてはいないが、モナコかカナダで何かが起きればチャンスはあるはずだ。レッドブルのマシンには間違いなく大きなポテンシャルがある。その力を活かしてレースをしていくよ」