ODYSSEY SLS SUPER GT Rd.1 Okayama 300km
2016/4/9~4/10
Arnage Racing
TEAM RELEASE
Official website:http://www.arnage-racing.jp/
チームblog:http://ameblo.jp/arnage-racing/
Facebook ファンページ:http://www.facebook.com/arnage.racing
去る4月14日夜半以降九州地方を襲った熊本地震の影響により被災されたみなさまへ、心からお見舞い申しあげます。
自然と人情の豊かな九州地方が、一日も早く笑顔と元気を取り戻されますように心からお祈りいたします。
Arnage Racing
新しい風よ、吹け! 凜太郎選手を迎えて
Arnage Racing4年目の船出は、幸先のよい18位完走でスタート
待ちに待った2016年のシーズンの開幕。今年のGT300クラスは新型車両の導入ラッシュで、海外からのFIA-GT3勢がこぞって新型車両となって参入したほか、昨シーズンから登場して後半に大活躍したマザーシャシ勢も顔をそろえ、エントリー数も30台と、昨年にも増して華やかなラインナップとなった。
そんな中、チーム結成4年目となるArnage Racingは、今年も昨シーズンから引き続きMercedes-Benz SLS AMG GT3でシーズンを戦うことに決め、車両名をODYSSEY(オデッセイ) SLSとした。また、苦戦を強いられた昨シーズンの流れに新しい風を入れるべく、第一ドライバーを安岡秀徒とし、第二ドライバーにはSUPER GT初挑戦となる弱冠22歳の新人、久保凜太郎選手を起用、その総まとめ役としての第三ドライバーに、チーム結成以来苦楽を共にしてきた加納政樹を迎えた。メカニックの顔ぶれも変わりArnage Racingは初心に帰って新しいシーズンに臨むことになった。
シーズン開幕に先立って3月19日、20日に行われた岡山公式テストで、久保凜太郎選手はルーキーテストに合格し、周回を重ねるごとにマシンへの理解を深めることができた。また、安岡、加納両選手も、それぞれシーズンオフのブランクを埋めるべく順調に走行を重ねた。しかし、その一方で、マシンに現れたエンジンパワーの減退の症状が、チームを悩ませていた。データ上で、その症状は昨シーズンの最終戦から現れており、このままズルズルとパワーを失うようでは、熾烈なサバイバルが予想される2016年のシリーズを生き残ることは厳しい。チームは本来のエンジンパワーを取り戻すべく、HWAのエンジニアのアドバイスも受け、レースまでの3週間でエンジン回りのパーツをリニューアル。また、ギアのチェックや細部にわたる調整を行って、開幕戦に向けてのセットアップの方向性を定めていった。
April 9th Race Day
曇り/ドライ
気温:23℃→23℃ / 路面温度:27℃→29℃
入場者;9,600人
例年強風や雹に祟られ、天候の安定しない開幕戦の岡山国際サーキットだが、今年は予想外に暖かく、週末の天気も安定している様子。予選日も、朝は曇ってはいたが、次第に雲が晴れて、絶好の観戦日和となった。
安岡、凜太郎のニューコンビで開幕戦に臨むArnage Racingは、午前9時からの公式練習の走行を安岡選手からスタート、今大会がSUPER GTデビュー戦となる凜太郎選手と交替しながら、時間をフルに使って39Lapを走行した。安定した天候に路面状況もよく、両選手は順調に周回を重ねて車両の感覚を確かめた。特に、リアタイヤが公式テストで使ったことのないタイヤに変わったため、タイヤチェックをしつつ決勝に向けてのセットアップを煮詰めていった。少しでもマシンとコースに習熟したい凜太郎選手は、サーキットサファリの時間にもコースに出たが、3Lapしたところで他車両がコース上で火災を起こして赤旗となり、そのまま午前中の走行は終了となった。*ベストラップは7Lap目に安岡選手が出した1'28.916(24位)
午後になると気温はますます高くなり、日差しの下では汗ばむほどの陽気となった。安定したドライコンディションのなか、14時50分からノックアウト方式で予選がスタート。今シーズンも安岡選手が開幕戦のグリッドをかけて、車両をコースに進めた。しかし、昨年にも増して熾烈にタイム争いを繰り広げる新型車両の中にあって、ODYSSEY SLSが上位に食い込むことは難しい。チームは敢えて無理なアタックをせず、翌日の決勝に向けてタイヤを温存する作戦をとって、安岡選手はアタックを5Lapで切り上げ、ピットに戻ってきた。最終的にQ2では、上位4台が1分25秒台半ばのコースレコードを奪い合う非常にハイレベルな戦いを見せ、ODYSSEY SLSは24位と下位に沈んだ。なお、予選後に他のマシンがペナルティを受けてタイム抹消となったため、Arnage Racingは翌日の決勝を23番手からスタートすることになった。
GT300クラス予選の結果は下記のとおり。
P1 #25 Vivac 86 MC 土屋武士 / 松井 孝允 (1'25.586)
P2 #65 LEON CVSTOS AMG-GT 黒澤 治樹 / 蒲生 尚弥 (1'25.624)
P3 #7 Studie BMW M6 ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治 (1'25.832)
P23 #50 ODYSSEY SLS 安岡秀徒 / 久保凜太郎 (1'28.506)
April 10th Race Day
厳しい予選の後、マシンから吸い上げたデータから、気がかりだったエンジンのパワー不足は解消され、マシンの状態も安定していることが確認された。レースに向けて好材料が出そろい、チームはギア周りを再度入念にチェックしなおして土曜日のメンテナンスメニューを順調にこなし、決勝の朝を迎えた。
日曜の朝の空模様も前日同様曇り、終日雨の心配はなさそうだったが土曜日ほど気温の上昇はなさそうだ。Arnage Racingは9時からのフリー走行を凜太郎選手からスタート。途中、ドライバー交替のシミュレーションもしながら、マシンのセットアップを確認。16Lapして30分間のフリー走行を終え、スタートの時を待った。
14時40分、岡山県警の白バイとパトカー先導によるパレードラップのあとフォーメーショ ンラップと続き、いよいよ2016年のSUPER GTの幕が切って落とされた。SUPER GTデビュー戦にしてスタートドライバーを託されたルーキー久保凜太郎選手は、23位から300km、82Lapのレースを開始、すぐにポジションをひとつ上げて順調に走行を始めた。天候、路面共に安定したコンディションの中、凜太郎選手は新人とは思えない堂々とした走りぶりを見せる。4Lap目に岡山ラウンド決勝のベストラップとなる01'30.514をレコードした後も、1分31秒台から32秒前半の安定した走行を続け、5Lapで20位、10Lapで19位と一つずつポジションを上げていった。そしてレースの3分の1となる28Lap目、チームはドライバー交替のために凜太郎選手をピットに呼び戻した。これまでのArnage Racingであれば、ここでタイヤ無交換作戦をとって給油のみですぐさま安岡選手をコースに戻すところだが、例年より路面温度が高く、テスト時からリアの摩耗を食い止めることができない状況でその作戦はあまりにリスキー。チームはタイヤを4輪とも交換し、25位でマシンをコースに送り出した。
Newタイヤでの後半スティント担当という、これまであまり例のないシチュエーションでコースに出た安岡選手は、性格の掴みにくいタイヤに少し苦しみながら周回をスタート。それでも、マシンの調子は安定しており、全車がピット作業を終えたときには20番手までポジションを戻していた。安岡選手は1分32秒台の安定したタイムで走行を続け、56Lap目に前方にいたマシンのペナルティによりもう一つポジションを上げて19位に浮上、最後までペースを落とさなかった。安岡選手は、残り数ラップで前方を行く2号車に肉薄する激走を見せたが、オーバーテイクには至らず、最終ラップにスローダウンした33号車を抜き、結局18位でチェッカーを受けた。
Arnage Racing4年目の船出となる開幕戦の結果、昨シーズンの開幕戦と同じ18位となった。しかしながら、この18位完走は1位のマシンとの周回差が1Lapだったため、Arnage Racingは昨シーズンなかなか獲れなかったチームポイント3ポイントを獲得。また、ルーキー久保凜太郎選手は、堂々の走りで見事にSUPER GTデビューを果たし、チームは、幸先の良い2016年のスタートを切ることができた。
P1 #65 LEON CVSTOS AMG-GTS 黒澤 治樹 / 蒲生 尚弥
P2 #4 グッドスマイル 初音ミク AMG 谷口 信輝 / 片岡 龍也
P3 #21 Studie BMW M6 ヨルグ・ミューラー / 荒 聖治
P18 #50 ODYSSEY SLS 安岡秀徒 / 久保凜太郎
<チーム代表 伊藤宗治>
新しいシーズンが始まりました。2016年のSUPER GTシリーズは我々にとっては非常に厳しい生き残りのシーズンとなります。そういう意味では、今回のレースは、第二ドライバーとして起用した凜太郎も含め、新しい体制のもと、新しいシーズンに向けての挑戦でした。気がかりなことも多々ありましたが、チーム全員が頑張ってくれたおかげで、最大の目的であった凜太郎のデビューも無事に果たし、レース運びもよく、何もかも、すこぶるうまくいきました。今後も、我々は非常に困難なシーズンを戦っていかなければなりませんが、こうして初心に戻ってArnage Racingらしいレースを重ねていくことが大切だと感じています。スポンサーの皆様、ファンの皆様には、今後とも応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
<ドライバー 安岡秀徒>
お疲れ様でした!今日は久しぶりの後半スティントで何もセーブせずに走れ!と言われていたので、ちょっと力が入りました。でも、準備はオフの早くから初めていたので心も身体も疲れませんでした。凜太郎くんがスタートということで僕も妙なプレッシャーを感じましたが、うまくスタートをこなしてくれて、僕に繋いでくれたので良かったです。途中いろいろあったとは思うんですが、テストから一つずつ課題をクリアしてきてくれたので、レースでの経験で次はさらに進化するんじゃないかと思います。進化という意味では僕もいっしょで、今回はタイヤ4本交換でのレース復帰という寒い時期では初めての経験をしました。正直4本交換からのスタートというのがあまりイメージしていなかったので、もう少しペースを抑えてスティントを始めた方が良かったのかな?と今は思っています。その他でもしっかり復習して富士で進化できるよう備えたいと思います。ドライバーだけでなくメカさんたちの陣容も変わり新チームのスタートみたいな感じの中、大きなトラブルなくピット作業をこなしたチームのみんなが頑張ったレースだったと思います。僕たちドライバーと同じように今回初めてのポジションについた人が多かったと思うので、チームとドライバーとそしてクルマとそれぞれが富士に向けて進化できるとより面白いレースができるんじゃないかと思います。富士はSLSが得意とするコースだと思いますし、加納さんがコクピットに帰って来るので楽しみです。ファンのみなさん、今日は応援ありがとうございました!
<ドライバー 久保凜太郎>
おかげさまで、今日無事デビューできて、チームとしても完走できてよかったです。レースは、スタート担当で、すごい緊張した部分もあったんですけど、タイヤのことなんかを相談しながら、自分初めてとしてはいい走りができたんじゃないかなっていう気はしてます。次戦に向けてとしては、そこの精度をあげるっていうことと、今回走り方で気づいたことが多かったので、そこをもうちょっと詰めるようにしていきたいなーって思ってます。あとは、富士で様子がガラッと変わるので、そこを気を付けて頑張ります。ありがとうございました。
<アドバイザー 加納政樹>
お疲れ様でした。開幕戦、ほんとにいい結果だったと思います。凜太郎くんがスタートドライバーでやっすーが後乗りになるっていう、今までの形とは違う新しいチャレンジで、最初はみんながピリピリしてて、どんなレースになるのかなって思ってました。でも「スタートをこうしていこうよっ」ていう話をしたのをしっかり凜太郎くんが遂行してレースの序盤を作り、後半はGTではきちっとした仕事ができる安岡がきちっと結果を出して、完走に持って行けた。しかも、一番の目標はもちろん完走なんですけど、一周遅れでゴールできた。このコースで一周遅れっていうことは、周りと遜色ないくらいのタイムで戦えてるってことで、そうなれば、またロングのレースはまた違う意味でチャンスも出てくるかもしれない。アルナージュの戦い方の流れを作っていくことが、今年も大事になっていくんじゃないかと思います。とにかく、チェッカー受けた二人の顔を見てたら、これはまずは一歩いいほうに前進できたんじゃないかと感じましたし、次の富士は僕も走るんで、そういう意味で、そういったいい流れの中入っていきながら、きちっとまず完走、そして次のステップを踏めるようにまた頑張りたいと思ってます。でも、ほんとによかった、いいレースだったんじゃないかと思います。ありがとうございました。
応援してくださったスポンサーの方々には深く感謝しますとともに、今シーズンも変わらぬ応援を賜りますようお願い申し上げます。次戦富士ラウンドは5月3日~4日に富士スピードウェイにて開催されます。何卒、引き続き応援のほど宜しくお願いいたします。