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ルノーからフェラーリへ変更したトロロッソ、パワーアップの恩恵は意外に小さい?

2016年04月27日 18:51  AUTOSPORT web

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トロロッソのリヤウイング
今季トロロッソの使っている2015年仕様のフェラーリ製F1パワーユニットが、昨年搭載していたルノー製よりパワフルであることは間違いない。とはいえ、最新のルノーとホンダのパワーユニットも、それぞれ昨シーズンと比較すればパフォーマンスを上げてきている。直接のライバルとの比較においてトロロッソにパワーのアドバンテージがあるのは確かだが、その差は当初予想されたほど大きくはないようだ。

 おそらく、そうした認識のもとにトロロッソは中国GPに2種類の新しいリヤウイングを持ち込んだ。どちらも上海の長いストレートで有効な武器になるように、ドラッグの低減を狙ったものだが、2種類のウイングは、それぞれ違った発想で作られている。

 ひとつは、チームがこれまで使ってきたタイプの改良型で、比較的大きいメインプレーンとフラップに、トロロッソが得意とする多数のスロットを設けたエンドプレートを組み合わせたもの。ただし、ダウンフォースを削ってドラッグを減らすためにフラップの形状が変更され、翼端に近い部分の翼弦長が、かなり短くなっている。こうして翼端部に生じる圧力差を減らすことで、ドラッグを低減する狙いと考えられる。

 もうひとつは、ロードラッグ仕様の専用ウイングセットだ。こちらはメインプレーン、フラップともに翼断面の曲率が小さく、効率を上げるために迎え角も浅めになっている。エンドプレートは、もうひとつのウイングと同様にスロットを設けたタイプだが、フラットなウイングに合わせてルーバーの数が減らされている。