メルセデスのニコ・ロズベルグは、2017年のテクニカルレギュレーションによってコース上のバトルが増えるとは思わないと断言し、F1上層部は改革の方向性を間違っていると語った。
F1のショー的要素を向上させることを目指し、F1上層部は今より圧倒的に速く、よりアグレッシブなルックスのマシンを導入するという目標を掲げ、新レギュレーション策定にあたってきた。
しかしダウンフォースを向上させることで速さを実現しようとする方向性には、以前から懸念の声が上がっていた。
ロズベルグもそういった声に同調し、オーバーテイクがより困難になることを危惧しており、速いマシンを実現するために選んだ手段が間違っていると断言した。
「2017年には(規則変更によって)バトルがしやすくなるべきなのに、そうはならないと思う。ダウンフォースに妨げられるのは明らかだ」とロズベルグ。
「それが一番の原因だ。(ダウンフォースを高めることで)前のマシンに接近できないからだ」
「ダウンフォースを30パーセント増やすと、より悪い方向に行くのは間違いない」
「こんなことを言い回りたくはないが、僕が聞いた話が正確なら、大勢のドライバーたちが同じことを言っている」
ドライバーたちは以前からより速いマシンを望んでいたのになぜ意見が変わったのかと聞かれ、ロズベルグは次のように答えた。
「より速いマシンというのと、ダウンフォースを高めるというのは別の話だ」
「より速いマシンを技術的に作ることはできる。もちろん僕はより速いマシンが欲しい。でも別の形で実現してほしい。ダウンフォースを利用するのではなくね」
「そこが全体的に明確にされていない」
2017年のレギュレーション変更について決定する期限は本来は2月29日だったが、まとまらないまま4月30日にそれが延期された。
空力レギュレーションについてはすでに合意されているものと考えられているが、エンジンレギュレーションが定まらず、26日に開催されたストラテジーグループおよびF1コミッションの会合においても、結論が出なかったと伝えられている。