長きにわたって優良企業と言われてきた東芝の不正会計が大きな騒動となって久しい。最近もシャープの身売りが話題になるなど、メディアでは電気機器メーカーの不祥事や業績悪化、リストラなどの暗いニュースが続いている。
学生の間でも電気機器メーカーは人気が急落しているようだ。文化キャリアパートナーズが4月20日、2017年卒業予定の学生を対象として行った「2017年卒ブンナビ学生調査」の結果を発表した。
東大など上位校の学生から総スカンくらう
調査は3月18日~24日に実施し、288件の回答を得た。「今年、就職人気が下がると思うのはどこですか」という質問に対しては、電気機器メーカーが22.2%で最も不人気という結果となった。なお昨年比で9.4ポイント上昇しており、電気機器メーカー業界全体のイメージの低下に歯止めがかからない。
学生からの意見も手厳しいものが多い。
「日系の電気機器メーカーの不振や不祥事がマスコミで連日取りざたされており、業界の勢いのなさが印象づけられているため」(東京大学・文系・女性)
「大手企業が経営不振であるため」(明治大学・理系・男性)
「TOSHIBA、SHARPなど、成長性が感じられないと考える学生が多そう」(名古屋大学・文系・女性)
就職活動で企業研究を行う学生であれば、普段にも増して情報のアンテナを張っているはずだ。不振報道の影響は一般消費者以上に大きく出ると言えるだろう。
なお、東芝では2017年の新卒採用はしないことを発表した一方で、SHARPでは2017年の新卒採用を前年の約2倍となる290人の採用を決定。不振が続く業界ではあるが採用方針は会社によって大きく異なっている。新卒採用は経営陣にとっても悩みどころのようだ。
東京五輪を反映し、レジャー・旅行は上昇傾向
反対に、「今年、就職人気が上がると思うのはどこですか」という質問に対しては、都市銀行が22.5%で1位、続いてレジャー・旅行が21.8%となった。
昨年比で見ると、レジャー・旅行は2.5ポイント上昇した。その理由としては、「旅行系は、東京オリンピックがあるので」「外国人観光客が増えている」という学生のコメントが紹介されている。2020年開催の東京オリンピックが業界全体に好影響を与えると学生は考えているようだ。
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