中国GPで、メルセデスW07には微妙な変更が加えられていた。前後ブレーキダクトと、複雑な形状のバージボードが、さらに変化していたのだ。
ニコ・ロズベルグのマシンのフロントブレーキダクトは、金網つきのエアインレットの上に小さなフィン状のプレートが追加されていた。インレット周辺が関心のまとになっているのは、オーストラリアGPで、この金網に発泡材のイヤープラグが詰まり、フロントブレーキの冷却に支障をきたすという出来事があったからだ。
追加されたフィンが、この問題に関連したものかどうかはわからない。だが、メルセデス・チームは中国GPのすべてのセッションで、ブレーキダクトの表面全体にタイヤかすなどの異物の付着を防止するコーティング剤を塗って走らせていた。
また、その後方にある複雑なマルチエレメントのバージボードにも、さらなる変更が加えられた。6枚のターニングベーンとフロアレベルの9本の「指」で構成されるバージボードのうち、前方の気流に向けて突き出した「指」の部分が、これまでより数センチほど長くなっているのだ。
おそらく、この部分を長くすることによって、フロアの下へ気流を導く効果が高まり、形状が変わったリヤブレーキダクトと併せて、ディフューザーが発生するダウンフォースを強化しているものと思われる。