かつてジョーダンなどのF1チームでテクニカルディレクターを務めていたゲイリー・アンダーソンが、読者からの質問に答える人気シリーズ。今回は気になるホンダの実力、かつてマクラーレンが低迷した理由、キミ・ライコネンが復調した原因など、あらゆる質問が寄せられている。
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Q:現在のパワーユニットでは、スロットルペダルはスロットル開度を制御するのではなく、どれだけトルクを欲しいかを伝える役割しかしていないという記事を読みました。これは禁止されているトラクションコントロールにあたるのではないでしょうか?
まさに、そのとおりだと思う。電子制御スロットルの登場によって、スロットルは単純にペダルを踏んだ分だけ開くというものではなくなり、スロットルペダルからの電子信号によって、スロットル側をどう作動させるかを自由にコントロールできるようになった。
さらに、いまではターボの回転数(=ブースト圧)もMGU-Hでコントロールできるし、自然吸気エンジン時代の「トルクの谷」はMGU-Kの電気モーターのトルクで補うことができる。こうして、スロットルペダルの踏み加減とリアホイールに発生するトルクの関係は、昔よりもずっとリニアで扱いやすくなっている。もちろん、いまでもドライバーはリアタイヤに過大なトルクを与えて、ホイールを空転させることはできる。だが、昔のターボエンジンのように、あるところでドカンとトルクが出たりすることはなくなった。
近年、新人や比較的経験の浅いドライバーでもいい仕事ができる理由のひとつは、そこにあると思う。セナ、プロスト、マンセル、ピケなどの時代には、いきなり後頭部をハンマーで殴られるようなワイルドなトルク特性を持った1000馬力のターボエンジンを、才能だけを頼りにねじ伏せていた。そんな時代に活躍したのは、当然のことながら、本当に才能のあるドライバーだけだった。
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Q:ホンダ・エンジンは今年中にメルセデスに対抗できるようになると思いますか?
Q:あなたはテディ・メイヤー時代末期のマクラーレンで仕事したことがありますね。1978年から80年ごろのマクラーレンは、どうしてあれほど低迷したのでしょうか?
Q:今年、キミ・ライコネンのレースペースがずいぶん速くなったのは、やはりSF16-Hのプッシュロッド式フロントサスペンションによるところが大きいのでしょうか?
Q:かつては多くのカスタマーカーがF1に出場していましたが、なぜ「絶滅」してしまったのでしょうか?
Q:いくつかのチームが使っている、あのカッコ悪い“親指”ノーズは禁止されないのでしょうか?
間の問題ではなかろうか。
Q:フェラーリの新しいリヤディフューザーについて、特にメルセデスとの比較において、どう思いますか?