最近の若者は打たれ弱くて、どうも好きになれない。こんなことを考えている方はいないだろうか? 新入社員がなかなか仕事の要領を得ず、傍から見ていて不安だったり、それを指摘すると露骨に落ち込んで、どうにも扱いにくい。こういうケースは珍しいものでもないはず。
中には、「いちいち新入社員の面倒なんか見てられっか!」と憤っている方もいるかも知れない。ただ、こんな時はちょっと考え方を変えてみることで、覚えが悪い新入社員のことを許せるばかりか、育成するのが楽しくなるかもれない。(文:松本ミゾレ)
新入社員はスタート直後のRPGの主人公! まずは経験値稼ぎが大事
先日、ツイッターに非常に面白いつぶやきが投稿されていた。
「今日職場の人と話して、新入社員は打たれ弱いのではなく、RPGでいうLV1の状態なのであってHPの最大値が低い状態、故に一撃がデカく瀕死になるだけだという見解にたどり着いた。大切なのは先輩が装備を整えてあげて徐々にレベルを上げるのからやるべきであり、敵を出現させないことではない」
新入社員をゲームのキャラクターに例えて、実際の職務になぞらえて分かりやすく表現している。仕事の内容をモンスターとするならば、経験はそのまま経験値である。経験を積んでレベルを上げるように育成し、それだけでは不十分なので、環境や知識という装備を用意してあげる。これも先輩の役割と考えているようだ。
加えて、足を引っ張らないように、あまり影響のない仕事を振るのは、敵モンスターと遭遇しないエリアで冒険をさせるようなもので、本人のためにもならないとも考えているようである。
こういう考えで新人の指導に当たれば、今までとはちょっと異なるアプローチで育成を楽しめるようになるかも知れない。
「うちのボスはそうやって育ててくれた感じがある」
誰しも一度はRPGで楽しんだ経験があるのか、その他のネットユーザーにとっても、この例えはしっくり来るものがあったようだ。まとめサイトなどでも紹介されていた、賛同の声を引用してみたい。
「ものすごく納得。経験値大事」
「うわー、とても分かりやすい例えだな」
「確かに……うちのボスはそうやって育ててくれた感じがある」
実際に自分がそういう育成を受けてきたと実感する人もいたようだ。新人の教育方法はいろいろとあるし、それぞれに正解というものがあるはずだけど、このRPGに例える育成方法は、教える側にもゲームをしているような、楽しめる要素がありそうなのがポイントだ。
それなら「Lv20になると転職」という声も
一方で前述のような前向きな賛同だけではなく、同じRPGの例えを使ったやや後ろ向きの声も幾つか見られた……。
「敵の出現率が高かった記憶しかない。チート使いまくった記憶も」
「本来味方であるはずの老兵がモンスターで、いちいちHP削ってる場合が多いからタチが悪い」
「Lv20になると転職したりして」
職場によっては、やたら敵とのエンカウントが多い場合もあって、そこにレベルが低い状態で対応せざるを得ないケースもあるようだ。また、ある程度実績を積んだら転職して会社を去る、というのもあるあるだ。
全てのプレイヤーが見事にRPGをクリアできるわけでもないように、中には新人育成に向かない人というのもいるものだ。とは言え、社会人として生きる以上、どうせどこかで新人を育成する機会というものは巡ってくる。
こういうせっかくの機会を、今回取り上げたテーマのように、RPGをやるような気持ちで、いっそ楽しんでやっていくのもいいだろう。実際のゲームと違って世界を救うことにはならないが、少なくとも優秀な人材を育成することができれば、社内では大いに評価されることにはなるはずだし。
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