世界ツーリングカー選手権(WTCC)第3ラウンドは24日、ハンガロリンクでオープニングレース/メインレースが行われ、オープニングレースではメディ・ベナーニ(シトロエンC-エリーゼWTCC)、メインレースではホセ-マリア・ロペス(シトロエンC-エリーゼWTCC)が優勝した。
決勝日のハンガロリンクは雨がらみの波乱が続いた。オープニングレースのスタート時には雨が止んでいたため、各ドライバーでタイヤチョイスには幅があり、イバン・ミューラー(シトロエンC-エリーゼWTCC)やロペスはドライタイヤを装着するギャンブルに出ている。
予選のリバースグリッドが採用されるオープニングレースでポールポジションを獲得したベナーニは、抜群のスタートを決めトップで1コーナーへ。チェッカー直前には後続に近寄られたものの、終始レースをリードしてキャリア2勝目を飾った。
レース中盤まで2番手にはフレデリック・エクボルム(ボルボS60ポールスターTC1)がつけていたものの、終盤にはニッキー・キャッツバーグ(ラーダ・ベスタWTCC)、トム・チルトン(シトロエンC-エリーゼWTCC)に相次いで交わされ、4番手まで後退。そのままチェッカーを受け、ボルボの今季ベストリザルトを獲得した。
エクボルムを交わしたキャッツバーグとチルトンによる2位争いは、ファイナルラップ直前にキャッツバーグを交わしたチルトンに軍配。チルトンは勢いそのままにファイナルラップで首位のベナーニに迫るも、3.13秒届かず2位でチェッカーを受けた。ドライタイヤを装着するギャンブルに出たミューラーとロペスは、スタート直後に失速。タイヤ交換を余儀なくされ13位、14位に終わっている。
続くメインレースでは、ポールシッターのロペスが好スタート。7番手スタートのミューラーも5コーナーまでに2番手へ浮上する好走をみせ、両者による一騎打ちが繰り広げられるかと思われたが、3周目の1コーナーでグレゴワール・ドモステア(シトロエンC-エリーゼWTCC)がオーバーランしタイヤバリアに激突。ドライバーは無事だったが、マシン回収のためにセーフティカーが導入された。
レース再開後は一転、ロペスは思うようにペースを上げられず、2番手のミューラーや3番手のロブ・ハフ(ホンダ・シビックWTCC)に接近を許してしまう。このなかで最初に動いたのは3番手のハフ。レース終盤の2コーナーでミューラーのインに飛び込みオーバーテイクを試みるも接触。ミューラーがバランスを崩した隙に2番手に浮上するが、ドライブスルーペナルティを与えられ優勝争いから脱落してしまう。
ハフのペナルティで2番手に復帰したミューラーは、レース残り2周というタイミングで全体ベストを記録し、ロペスを猛追するが、首位ロペスもファイナルラップで自己ベストを更新する粘りの走りで応戦。2.8秒差のギャップを守りきり、今季3勝目を飾った。
3位は4番手グリッドからスタートしたティアゴ・モンテイロ(ホンダ・シビックWTCC)、4位にはボルボのもう1台を操るテッド・ビョークが続いている。