TOYOTA GAZOO Racing 86/BRZ Raceの第2戦が、4月23日~24日に岡山国際サーキットで開催され、プロフェッショナルシリーズでは阪口良平(AREA86倉敷)が優勝を飾り、クラブマンシリーズでは橋本洋平(カーウォッチ86ポテンザED)がシリーズ初優勝を遂げた。
プロフェッショナルシリーズの予選は、トップと1秒以内に22人が連なる驚きの展開となった。序盤のリーダーは元嶋佑弥(GY RACING 86)だったが、終盤にアタックを開始した山田英二(CUSCO BS 86)が逆転。岡山での2年連続ポールポジション獲得かと思われたものの、終了間際に谷口信輝(KTMS 86)が上回るアタックをみせた。
「実はセクター2でゼブラに乗っちゃって、少しフラフラッとしたんですよ。だからコンマ1、2秒損しているかもしれないけど、でもいい! ポールだから(笑)。明日は接戦になるでしょうけど、しのぎ続けます」と谷口が言えば、山田も「ちょっと残念。ピットで逆転って聞いた時にはガクッと来たよ。でも、当てられさえしなければ、決勝のラップ(ペース)には自信があるんだ」と決勝での巻き返しを誓う。3番手は元嶋で、4番手が阪口。これに佐々木雅弘(asset・テクノ・BS86)、吉田広樹(OTG DL 86)が続き、開幕戦のウィナー平中克幸(GY RACING 86)は9番手、ポールシッターの服部尚貴(OTG DL 86)は13番手に甘んじた。
決勝レースは谷口の予想どおり、大接戦となった。谷口の背後には山田、佐々木、阪口、そしてスタートに出遅れた元嶋が続き、5台がトップグループを形成。この中で最初に動いたのが佐々木で、8周目のヘアピンで山田に迫るも逆転ならず。この間にトップ谷口は差を広げるのだが、そのまま……とはいかず。次の周には再び山田が差を詰める。
そんななか、続いて動いたのは阪口で、10周目のアトウッドで佐々木をかわして3番手に浮上。さらに11周目のヘアピンでは山田に、佐々木とともに迫るが、それぞれのブレーキングポイントの違いから3台は接触。山田が順位を落とし、阪口が2番手に躍り出る。勢いに乗る阪口は、谷口に最終ラップのバックストレートで並び、ヘアピンまでにオーバーテイク。トップに浮上した。
「岡山のチームなんで、ここで勝てたのはすごく大きい。今回はバトルのなかで、実はタイヤもブレーキも温存していて、それが最後に効きましたね。谷口さんのクルマはコーナーの立ち上がりで振られると、加速が鈍るのは分かっていたので、これは変にヘアピンで被せなくても抜けるぞ、と。実際にそうなって良かった(笑)。それにしても、やっと勝てました」と、実に2年ぶりの勝利に阪口は感慨深げだった。
「12周のレースで11周目までトップ走っていたのに、ペロッと持っていかれた、良平に」と語るのは、もちろん2位に甘んじた谷口。3位は佐々木で、山田は最終ラップに元嶋にも抜かれて、5位となっていた。そして平中が6位でポイントリーダーの座を死守した。
クラブマンシリーズでは、開幕戦のウィナー松原怜史(asset・テクノ・BS86)が最速タイムを記すも、その周に4輪脱輪があって抹消。5番手に沈んだ一方で、繰り上がってポールポジションを奪ったのが橋本洋平(カーウォッチ86ポテンザED)。2番手には小野田貴俊(ネッツ東埼玉ワコーズED86)が、そして3番手には全日本ジムカーナドライバーの菱井將文(CUSCO BS 86)がつける。
決勝でも橋本は好スタートを決めて、オープニングラップだけで1秒2のリードを確保。次の周には小野田が1秒差にまで詰めて、そのままじわじわ近づいていくことが予想されたものの、実際の展開は逆だった。それ以降はまったく橋本が小野田を寄せつけず。一方、その後方では山下昌樹(NUTECアライズ86加藤一門)と菱井、松原による激しい3番手争いが。この戦いを制したのは松原ながら、前の2台からは大きく水をあけられていた。
トップでチェッカーを受けた橋本は「初優勝、ようやく! これでやっと(小野田らと)肩を並べられます。ほかのカテゴリーでは勝ったことありましたが、このカテゴリーではなかったですからね」と大騒ぎ。「今回のハッシー(橋本)は速かった。完敗です」とは小野田のコメント。3位は松原で連勝はストップ。「まだレースの駆け引きを勉強中」という菱井が4位となった。