佐藤寿保監督の映画『眼球の夢』が、7月から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか全国で公開される。
サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久と共に「ピンク四天王」と呼ばれる佐藤寿保。日米合作映画となる『眼球の夢』では、「生き別れた眼球」を探すためにカメラを持って「TOKYO」を彷徨うヒロインの麻耶と、麻耶に興味を持ち、彼女のドキュメンタリー映画を制作しようとする脳神経外科医・佐多邦夫、麻耶の眼球を狙う黒ずくめの眼球コレクターの3人の人生が交錯し、やがて惨劇に繋がる様が描かれる。
麻耶役を演じるのは、同作で映画初主演を果たす万里紗。麻耶の良き理解者であるゴス趣味の女性・紙谷リエ役を桜木梨奈、麻耶に密着する佐多役を中野剛、眼球コレクター役をPANTAが演じるほか、1980年代に起きた「パリ人肉事件」の犯人として知られる佐川一政が、「あの世」と「この世」の番人・センチネル役で出演する。
脚本を担当するのは、江戸川乱歩原作『乱歩地獄/芋虫』、谷崎潤一郎原作の『刺青 SI-SEI』などで佐藤監督とタッグを組んだ夢野史郎。プロデューサーは、人類学者としてハーバード大学感覚人類学研究所に所属する一方で、映像作家として海洋ドキュメンタリー映画『リヴァイアサン』の監督を務めたルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルが務めている。
2人は日本のピンク映画史をリサーチする中で出会った佐藤の監督作に感銘を受けて今回の企画にも賛同。『眼球の夢』のプロデューサーを務めると同時に彼ら自身の新作の撮影を同作の撮影現場で行なうという。特殊造形は、映画『ライチ☆光クラブ』『20世紀少年』などに参加した百武朋が担当。