2016年スーパーフォーミュラ第1戦鈴鹿 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING) 2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権第1戦
コース:鈴鹿サーキット(5.807km)
予選:4月23日(土)曇:ドライ
決勝:4月24日(日)曇:ドライ
波乱の開幕戦で国本雄資が2位表彰台
ジェームス・ロシターが6位、アンドレ・ロッテラー7位でポイント獲得
2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦が鈴鹿サーキットで行われ、予選で2番手グリッドを獲得した国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)がポジションを守り切っての2位表彰台を獲得。10番手スタートのジェームス・ロシター(KONDO RACING)が6位、9番手スタートのアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)が7位へと追い上げてポイント圏内でフィニッシュした。
2016年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1戦が4月23日(土)、24日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットで行われた。
国内最高峰、最速のトップフォーミュラレースとして世界中からも注目を浴びる全日本スーパーフォーミュラ選手権。新規定で3年目となり、更なる激戦が予想される今年も、TOYOTA GAZOO Racingは強力な6チーム11台にトヨタRI4Aエンジンを供給。3年連続でのタイトル獲得を目指す。
今季より、全車が装着するタイヤのメーカーが変更され、その特性にいち早く順応出来るかが問われることとなった。事前テストは行われたが、レースは全車未知への挑戦であり、その点でも注目の開幕戦となった。
予選
23日(土)午前中のフリー走行では2年目を迎えた小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)と国本 雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が好タイムをマーク。しかし、このセッションでは上位10台が0.5秒以内に入っており、今季も僅差での予選となることを予感させた。
空には雲がかかっていたものの、時折日も差す、過ごしやすい気候の下で午後2時にノックアウト方式の予選Q1が開始されると、セッション開始と同時に各車アタックを開始。スタート後4分でアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S)がコースオフを喫するもそのまま走行は続行。
全車一旦アタックを終えたあとピットで待機し、残り6分半で再度コースへ。しかし、全車がアタックに入り始めた残り2分というところで、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)がスピンしコースアウト。グラベルで車両を停めてしまい、セッションは赤旗中断。
残り3分でセッションが再開されると、各車一発アタックに出たが、今度はウィリアム・ブラー(KONDO RACING)がスピン。このブラーのスピンによる黄旗で、その区間を走行していた車両のタイムが抹消に。その影響で、ディフェンディングチャンピオンの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)が15番手となりまさかのQ1敗退。中山 雄一(KCMG)が16番手、オリベイラ、ブラーが17,18番手でQ2進出を逃すこととなった。
予定よりも10分遅れて午後2時40分に予選Q2(7分間)が開始。各車がアタックに入り、数台がタイムをマークしたところで、スプーンコーナーで中嶋 一貴(VANTELIN TEAMTOM'S)がスピン。コース脇に停止し、またも赤旗に。
残り3分でセッションは再開され、Q3への生き残りを懸けたアタックが繰り広げられたが、最後の最後に逆転される形でロッテラーが9番手に落ち、無念のQ2敗退。ジェームス・ロシター(KONDO RACING)が10番手、ナレイン・カーティケヤン(SUNOCO TEAMLEMANS)が13番手、中嶋が14番手でグリッド確定。トヨタ勢はチャンピオン経験者など有力ドライバーが揃ってQ3進出を逃すという大波乱の結果となってしまった。
Q3(7分間)は午後3時8分に開始。各車がアタックラップに入ると、トヨタ勢では唯一のルーキードライバーながらQ3進出を果たした関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が最初に1分37秒台に入れトップに立つが、その直後、国本がこれを上回るタイムをマーク。国本にとって2013年のJAFグランプリ以来、シリーズ戦では初のポールポジション獲得なるかと思われたが、最後の最後に惜しくも逆転を許し、それでも2番手グリッドを獲得。最前列から決勝レースに臨むこととなった。
関口もデビュー戦で3番手グリッドと好位置につけた。Q3に進出した小林は8番手となった。
決勝
予選のあと、夜にかけて雨が降ったものの、24日(日)は朝から晴れ、路面は完全にドライに。スーパーフォーミュラの決勝レース前は空に雲がかかり、やや涼しい気温24度/路面温度34度というコンディションでスタートを迎えた。
午後3時15分にフォーメーションラップが開始され、43周の決勝レースがスタート。最前列2番手の国本はポジションキープも、3番手の関口はやや出遅れ、4位に後退。加えて関口は、フォーメーションラップ開始時エンジンストールした際の対応で、スタート手順違反として10秒ストップのペナルティを科され、上位争いから脱落してしまった。
10位を走行していた小林は18周終了時点でピットへ向かったが、右リアタイヤのホイールナットが完全に締まっておらずスローダウン。何とか1周走り切るも、シケイン付近でついに右リアホイールが脱落。ピットへ戻り、タイヤを装着してコースへ戻ったが、最後尾へと後退を余儀なくされた。
トヨタ勢最上位で孤軍奮闘を続ける国本は、首位には届かないものの、後続との差をコントロールし、2位をキープし続けた。
33周目を終えたところで、最後に国本がピットイン。国本は上位を争うライバル同様にタイヤ無交換,給油のみとし、2位のポジションを守ったままコースに復帰した。
全車がピットを終えた時点でトヨタ勢では国本が2位、追い上げたロッテラーが6位、ロシターが7位。17番手スタートのオリベイラは早めのピット作戦でハイペースの周回を続け、10位までポジションアップ。石浦がそのすぐ後方11位で続き、終盤にはこの2台が前を行く2台を追っての8位争いを繰り広げ、観客を沸かせた。
国本は2位でチェッカー。シリーズ戦での自己最高位タイ、2014年の第5戦オートポリス以来となる2度目の2位フィニッシュを果たし、トヨタ勢が苦戦を強いられた開幕戦で表彰台を獲得した。
終盤ロッテラーを逆転したロシターが6位、ロッテラーは苦しみながらも7位を守ってフィニッシュし、ポイントを獲得した。オリベイラと石浦は終盤の追い上げ叶わず、10位、11位に終わった。
TOYOTA GAZOO Racingへのご声援、ありがとうございました。次戦も応援の程よろしくお願いいたします。
P.MU/CERUMO・INGING 2号車 ドライバー 国本雄資:
何とか2位でフィニッシュすることが出来てとても嬉しい。スタートから狙っていったが、山本選手が速く、徐々に離されてしまった。しかし、その中でミス無くペースをコントロールしながらプッシュしていった。後方からストフェル(バンドーン)選手が来ているのは分かっていたが、タイムは同じくらいだったし、大きなミスがなければ抜かれることはないと思っていた。しかし、限界ギリギリでの走りを続けなくてはならない、非常にタフなレースだった。タイヤは未知数だったが、結果的に無交換で走り切ることが出来た。こうして2位に入れるクルマを用意してくれたチームに感謝している。次戦も優勝目指してしっかり走りたい。