2016年の全日本スーパーフォーミュラ選手権の開幕戦鈴鹿で、注目のストフェル・バンドーンは3位フィニッシュと、初戦から堂々の表彰台を獲得した。
前日の公式予選では、チャンピオン経験者が相次いでスピンを喫するなど波乱の展開となる中、バンドーンは確実にタイムを出してQ3に進出。チームメイトも上回り4番グリッドを獲得した。
予選後には、スタートが重要と語っていたが、決勝では初めてのスタートも正確に決め、3番手に浮上し1コーナーを通過。その後は、国本雄資(P.MU/CERUMO·INGING)を追いかけ続ける展開となった。鈴鹿はオーバーテイクポイントが少なく、並びかけるチャンスもほとんどなかったが、最後までペースは乱れることなく着実に周回。3位のポジションを守ってチェッカーを受けた。
日本での初レースで表彰台獲得という活躍にチームを率いる村岡監督も「今年初めて日本にきて、最初のレースで表彰台というのはパーフェクトだったと思います」とバンドーンの走りを絶賛している。
レースを終えたバンドーンは「スタートから、前を走る国本選手にも近づいてチャンスを伺ったが、彼も素晴らしいドライバーでミスのない走りをしていたので、とにかく自分のペースを守っていった。こうして3位でフィニッシュすることができて、本当にハッピーです。チームにも感謝していますし、ポディウムにホンダが2台いるということは重要なことだと思いますし、これからも頑張りたいと思う」
また、スーパーフォーミュラならではの「オーバーテイクシステム(OTS)」も使ったと語る。「初めて使うシステムだったので、まだ100パーセント把握できていない。どうしたらもっとうまくOTSを使えるのかが、これからの課題。ピットストップの前後で使用したり、国本選手とのバトルで使用してみた。でも正直、使ったからといって大きな差を感じなかったので、もしかすると使い方がまだ上手くないのかもしれない。そのあたりをこれから勉強していきたいと思う」と素直に語った。
F1と比べてスーパーフォーミュラはどのように感じたのか。先日のF1第2戦バーレーンGPにフェルナンド・アロンソの代役として出場したバンドーンは、いきなり10位入賞と健闘。今回のスーパーフォーミュラでも3位と、素早い適応能力をみせた。
ふたつのレースについてバンドーンは「大きく違うから簡単に比較するのは難しい。スーパーフォーミュラはマシンのエアロダイナミクスも良いし、タイヤも素晴らしい。すごくクイックな印象だよ。特に鈴鹿はハイスピードなコーナーがたくさんあって限界まで攻められるから、乗っていて楽しいよ。また予選では各ラウンドごとに新品タイヤを投入することでグリップ力も増していくし、面白かった」
「ただF1は違う。テクニカルな面で色々考えなければいけない。レース中はエンジン、バッテリー等のマネジメントも必要だし、タイヤに関してもそう。F1のタイヤはすごく難しいね。僕は両方とも楽しいと思うけど、やっぱり今の目標はF1に(レギュラードライバーとして)乗ることだね」とコメント。
最終目標がF1であることに変わりはないものの、スーパーフォーミュラのレベルの高さ、やりがいなどは少なからず感じた様子だ。